日本洋酒酒造組合が税制改正要望

2015年10月06日

 日本洋酒酒造組合は平成28年度税制改正要望をまとめ公表した。今年の要望では、ビール系で大幅な改正が予想されており、それに関連して同時に洋酒系の発泡性酒類も増税となる恐れがあることから、「洋酒系の発泡性酒類の増税反対」など6項目を要望した。

 日本洋酒酒造組合(中川圭一理事長)は「平成28年度税制改正等要望書」をまとめ公表した。

 今年の要望は、①洋酒系の発泡性酒類の増税反対②洋酒に対するアルコール分に比例した度数課税の適用範囲の拡大と1度ごとの加算税率の引き下げ③薬酒に対する軽減税率制度の導入④混成酒類の基本税率の改正⑤流通市場における被災酒類および変質等酒類の酒税現地還付制度の導入⑥制度の簡素合理化――の6項目となっている。

 このうち「洋酒系の発泡性酒類の増税反対」では、平成27年度税制改正大綱の趣旨がビール系酒類間における税率格差の縮小を企図するものであれば「当該酒類に限定した改正を実施するべき」とし、ビール系酒類とは異なる缶チューハイなどの洋酒系の発泡性酒類にまで増税の影響がおよぶことは「改正趣旨に反する」とし、「絶対反対」と記した。

 また、同大綱で「アルコール健康障害対策基本法が施行されたことにも留意する」とされていることから、「洋酒系の発泡性酒類が大量飲酒の対象や未成年者飲酒などを引き起こしているという因果関係は無い」とし、洋酒系の発泡性酒類を狙い撃ちするような増税は「絶対反対」とした。

 また、「洋酒に対するアルコール分に比例した度数課税の適用範囲の拡大と1度ごとの加算税率の引き下げ」では、洋酒に対するアルコール分に比例した度数課税の適用範囲は「度数課税となっていない度数帯もあり限定的」とした上で、多様化する消費者ニーズに対応できるようにするため、度数課税となっていない度数帯もアルコール分に比例した度数課税の適用範囲とするよう、範囲拡大を要望した。

 また近年、アルコール分の低いチューハイやハイボールが好んで飲まれており、高いアルコール分の洋酒でも水割りや炭酸割り、果汁の混和などで低いアルコール分にして飲用されていることから、「消費者が自ら健康に配慮した飲用実態となっており、さらに消費税が増税されることも踏まえ、洋酒に対する酒税はアルコール分1度につき1万円の加算税率を少なくとも消費税の増税される率分は引き下げるように」と要望した。

 「薬酒に対する軽減税率制度の導入」については、「薬酒は致酔飲料というより薬として高齢の人あるいは虚弱体質の人などが健康保持、健康回復などのために飲用している」とし、薬酒が国民の健康増進、福祉の向上などと深く関係している酒類であることを考慮し、「大幅な酒税の軽減」を要望した。

 「混成酒類の基本税率の改正」は、混成酒類の基本税率を蒸留酒類と同じ基本税率に改正するよう要望した。