ビール各社5月分の動向、ブランドごとに明暗

2014年06月26日

 ビール各社は、ビール、発泡酒、新ジャンル酒類の5月の販売動向について次のとおり発表した。

 【アサヒビール】ビール類全体では2・0%増と前年を上回った。

 ビール合計は1%減。「エクストラコールド」の累計設置店数は4月末から399店増となる7570店となった。

 発泡酒合計は10%減となった。糖質ゼロの発泡酒「スタイルフリー」は0・9%増とプラスを示した。

 新ジャンル合計は17%増と前年を大きく上回った。「クリアアサヒ」ブランド初の“絶対もらえるキャンペーン”が好調で21・6%増と大きく伸長した。

 ▽「スーパードライ」計=851万ケースで1・3%減(1―5月累計は3708万ケースで3・2%増)▽「スタイルフリー」=108万ケースで0・9%増(465万ケースで0・4%増)▽「クリアアサヒ」計=279万ケースで15・3%増(1110万ケースで4・7%増)、「クリアアサヒ」は214万ケースで21・6%増(849万ケースで2・8%増)、「プライムリッチ」は65万ケースで1・5%減(261万ケースで11・5%増)▽「アサヒ・オフ」=53万ケースで20・9%減(243万ケースで13・8%減)

 【キリンビール】ビール類計は、昨年発売した新商品の裏返しがありマイナスとなった。

 ビール計はマイナスとなった。一方で「一番搾り」は、コンセプトショップのオープンをはじめ、ブランドセミナーなど一般消費者向けイベントの実施効果もあり、累計でプラスとなったほか、缶も約1割増と好調に推移した。

 発泡酒計はマイナス。サッカー九案ペーンなどの販促施策により「淡麗グリーンラベル」は市場平均を上回った。

 新ジャンル計はマイナスとなった。「のどごし生」計は、100万人に当たるキャンペーンやサッカー缶発売もあり、プラスを示した。6月3日発売の「のどごし生ICE」は、発売1週間で年間販売目標の約半分を達成した。

 【サントリーホールディングス】ビール事業の販売数量は、市場を上回り対前年1割超増となった。1―5月累計では1%増を示した。

 「ザ・プレミアム・モルツ」は158万ケースで16・9%増と2ケタ増。累計では573万ケース、2・5%増と好調に推移している。4月から始まった「超クリーミー泡サーバー絶対もらえるキャンペーン」が好調となっている。5月27日には「ザ・プレミアム・モルツ香るプレミアム」を発売し、一斉出荷数量は計画比約1・9倍、30万ケースと好調なすべり出しとなった。

 「金麦」シリーズは338万ケースで19%増となった。累計では1366万ケースで9%増と引き続き好調に推移している。5月13日に発売した「金麦クリアラベル」は、5月月間では計画比約1・3倍、82万ケースと好調な滑り出しを見せた。

 【サッポロビール】ビール全体の販売数量は、単月・累計ともに前年を大幅に上回った。

 ビールは、単月では前年を下回り、累計ではほぼ前年並みとなった。「ヱビス」ブランド計は、単月は若干下回ったが、累計では前年比3%強と好調に推移している。

 新ジャンルは、単月は約45%増と大幅に上回り、累計も約27%増と大幅増を示した。「麦とホップ」は単月で前年増、累計でも約16%増と好調な新ジャンルをけん引した。新商品「ホワイトベルグ」は発売後、計画通り順調に推移している。

 【5月の統括】5月は、市場全体ではビール類計は微減、ジャンル別では新ジャンルのみ好調の着地となった。各社の動向を見ると、ブランドごとで明暗が分かれ、やはり新ジャンルが全体的に好調に推移している。またビールについても、缶やプレミアムタイプなど好調な部分も目立っている。ビール最需要期も目前に、今後も飲用拡大に期待が高まる。