【全国=東京・大阪・中四国】山田錦を中心に国産米でつくられたアルコールが注目されるようになって久しい。第一アルコール(株)(東京都中野区、鴇矢健=ときや・たける=社長)が事務局を務める「国産米アルコール協議会」は活発な活動を展開し、営業努力もあって全国各地の有名酒造メーカーから大きな支持をうけている。
2018年から同社が発売している国産米アルコールは一般的なモラセスの醸造アルコールと違い、コメ・水・麹で出来た清酒・日本酒のカラーを打ち出しやすい。業界が力を入れている麹文化・酒造りのユネスコ無形文化遺産登録(昨年3月提出、来2024年末登録見通し)に向けても海外・外国の日本酒通やプロに理解してもらいやすい側面があると見られる。
発売しばらくでコロナ禍に見舞われつつも、歴代の同社社長や営業部長、西日本支店(大阪市北区)の鈴木圭介氏ら幹部による全国の酒蔵への啓蒙・アピールで賛同者は増え、大きな支持を得ている。情報発信を欠かさず、利用している各蔵の動向や姿勢、取り組みなどを取材・紹介する「国産米アルコール協議会通信」も発刊するなど精力的な活動に余念がない。
直近の同通信では、全国でも珍しい公設の酒蔵として創業の岐阜県から北海道に移転した「三千櫻酒造」(山田耕司社長)をはじめ、岩手県の「泉金酒造」(八重樫義一郎社長)、同県でスピリッツに国産米アルコールを使用している「さくらブルワリー」(スティーブン・マイケル・バットランド代表)らを編集掲載。
このほか土佐酒の魅力を発信している「高知県酒造組合」「日本酒造組合中央会四国支部」上東治彦技術顧問の特別インタビューも読みごたえがある内容で、国産米アルコールに興味をもつメーカーはもちろん、広く日本産酒類を製造・販売する関係者らにとっても一読に値する冊子となっている。