泡盛 仕次古酒・秘蔵酒コンクール「第2回」開催へ

2018年12月05日

 【沖縄】「泡盛 仕次(しつぎ)古酒・秘蔵酒コンクール」が泡盛特産県・沖縄で来年も開催される。主催は沖縄県の国税当局、公的研究機関、酒類生販三層組合、さらに古酒同好の民間グループの7団体で、以下共催=沖縄国税事務所・沖縄県工業技術センター・沖縄県酒造組合・沖縄県卸売酒販組合連合会・沖縄県小売酒販組合連合会・山原島酒(やんばるしまざけ)之会・琉球泡盛倶楽部。「仕次方法の実態及び仕次古酒の品質を把握するために平成30年1月から4月にかけ同コンクールを開催し(優秀仕次古酒・秘蔵酒出品者への)感謝状贈呈式を実施したところ各方面から大きな反響が寄せられた」ことから継続開催を決めた。

 琉球泡盛は「黒麹菌を使用し原料である米をすべて麹にし、単式蒸留により得られた原酒を貯蔵・熟成させることを基本とする固有の製造方法をもった世界に誇る沖縄県の銘酒」。地理的表示GI指定により固有の産地ブランドとして世界的に保護されている。

 仕次ぎは日本では唯一、泡盛のみで行われている「伝統的かつ特徴的品質管理方法」。貯蔵年数の長い古酒の一部を使用(飲用)した際、貯蔵年数の短い古酒等を補填し古酒の品質を維持向上させるもの。国税事務所によると現在、泡盛製造業者では仕次ぎがほとんど実施されておらず、専ら泡盛愛飲家・飲食店・小売店等を中心に行なわれ、その実態が十分に把握できないのが実情だという。

 スケジュールは、①出品に係る事前の書類審査(審査票提出期限・平成31年1月11日)→②品質評価(2月下旬)→③結果発表「感謝状贈呈式」(4月下旬)。

 「仕次古酒」は仕次ぎを開始するためのベースとなる親酒に仕次酒を補充し甕等で貯蔵した泡盛。「秘蔵酒」は仕次ぎを全くせず家庭等で貯蔵した泡盛で、購入時の瓶そのままのものでもよい。

 書類審査の詳細などは国税庁ホームページ。リーフレット「目指せ!100年古酒!~甕で育てる仕次方法~」の閲覧も可。

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 古酒(クース)は第二次世界大戦で、不条理に強制リセットされた歴史がある。古酒づくりは戦後新たに始まった。沖縄の宝クースが平和の酒と言われるゆえんだ。

 古酒を育てる技法として仕次ぎがある。市井に浸透普及運動があり、一方で古酒に関する科学的研究も進められてきた。コンクールを通じ県民の家庭等で行われている古酒づくりの実相の一端に触れることができる。研究深耕の端緒とし官民一体で仕次普及を推進するねらいがある。

 12月上旬には那覇市で、コンクール主催7団体共催による「泡盛仕次セミナー~古酒を育てよう~」が開かれた。