【宮崎】本格芋焼酎「黒霧島」の霧島酒造(江夏順行社長、本社・都城市)が5番目となる製造工場「志比田第二増設工場」(敷地面積3万1984平方m=都城市志比田5548番3外)を新設する。総工費157億円で、2018年8月稼働予定。焼酎粕処理プラントの増強も行う。5月24日発表した。
同社は今年5月、創業100周年を迎えた。従業員数は4月末現在506人(臨時雇用含まない)。
新工場建設は「更なる安定した生産体制を構築する」ための決断だ。「焼酎の貯蔵における余裕のある熟成期間の確保と原料甘藷不作時の対応」が可能となり「品質の安定・向上」が見込める。「設備改修時の予備能力確保」にも寄与。各工場の稼働率を下げることで「余裕をもったメンテナンス」が可能となる。焼酎粕処理プラントの予備能力の増強も安定生産に欠かせない。
「ボイラー燃料の一部に焼酎粕リサイクルプラントで回収したメタンガスを使用するほか、エネルギー使用を抑えた機器類を採用するなど、環境に配慮した工場」。操業にあたり25人(ほか臨時60人)の雇用計画も掲げた。
総工費の内訳は、▽焼酎原酒製造工場(鉄骨造り4階建て、延べ床面積1万2143平方m/敷地面積1万7304平方m)=100億円▽焼酎粕リサイクルプラント=(鉄骨造り2階建て、660平方m/6552平方m)=35億円▽貯蔵タンクなど(794平方m/8128平方m)=22億円。着工は製造工場が来年2月、粕プラントと貯蔵タンクなどが今年7月。
焼酎の生産能力は、既存4工場と同様の日産400石(アルコール度25度換算)。焼酎粕リサイクルプラントの1日当たり処理能力は400t。既存本社工場施設と同様「固定床式高温メタン発酵システム」を採用する。
300日稼働の場合、4工場での製造量は48万石。5工場体制では60万石になる。