【東京】東京小売酒販組合は4月8日、千代田区の東京小売酒販会館で会見を開き、改選が行われた新役員の発表を行った。
詳しい役員体制は▽理事長=坂田辰久▽副理事長=吉田精孝、海田耀市▽常務理事=村澤祥二郎、増田光邦、居串俊男、望月昭廣▽常任監事=小林淳佑――となった。
理事長続投となった坂田氏はあいさつに立ち「酒販店の社会的責任である未成年者飲酒防止、飲酒運転根絶運動に力を入れており、今年の予算も増加となった。4月11日、秋葉原UDXで運動を開始し、50支部以上で取り組みを行う」と最近の活動について述べた上で、「東京小売酒販組合の前身である『東京酒類仲買小売商同業組合』から数えて、来年で100周年となる。記念事業委員会を立ち上げ、さまざまな取り組みを行っていく。また、同会館の建て替えの検討を行う委員会も設置し、まずは建て替えを行うのか、行わないのかの議論をしていきたい」と語った。
議員立法成立への訴えかけについては「中央会の松田会長を中心に、各組合の地元各地で取り組みを行っているところだ。法案成立によってすぐに酒屋が楽になるわけではないが、少しでも正常な方向へ向かうよう成立への訴えかけを行っている」と述べた。
続いて、新役員らが就任の意気込みを要旨次の通り述べた。
吉田副理事長(総務委員会、青年会、経営活性化委員会、共同事業推進委員会 東酒協 担当)
青年会とともに協同事業を行っていきたい。PB商品の開発、研修などを基にした体験型PB商品の開発も考えている。昨年は組合員が減少する中で、賦課金の値上げに踏み切った。5年、10年先を見据えて組合の運営を考えていきたい。
海田副理事長(政治連盟、公報課、厚生委員会、会計課担当)
行政に訴えかけていくことはもちろんだが、メーカー、問屋にも流通市場を維持する訴えかけを行っていく。現在、一般酒販店の販売数量は30年前から見て激減している。スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどが市場の85%を占めており、組織小売業に市場が牛耳られている状況だ。一般酒販店の活性化を図る施策を行っていきたい。
村澤常務理事(総務委員会、公報課、会計課担当)
喫緊の課題として、組合員の減少を食い止めなければならない。各地域の支部、協同組合がどのように組織を維持していくのか検討を行っていく。酒販公報については、より読みやすい内容とし、ホームページの活用も考えていく。
増田常務理事(青年会、協同事業推進委員会担当)
青年会については現在、25人のメンバーが在籍している。昨年は各地で4回に及ぶ研修を行った。昨年の秋、PB商品の日本酒「東京」の発売も開始した。消費者の方から管理が難しいという声をいただいているので、火入れした「東京」の開発も検討している。また、10月1日の「日本酒の日」の乾杯推進運動にも今年は参加していく意向だ。
居串常務理事(厚生委員会、会計課担当)
会員の減少など、厳しい時代を組合員らは迎えている。個々の酒屋さんのコミュニケーションが不足している状況だ。いろいろな機会を通じて、組織力の向上を図っていきたい。組織全体が明るくなるような施策を考えている。
望月常務理事(政治連盟、経営活性化委員会担当)
議員立法は今国会での成立を訴えかけていく。われわれの業界は行政と関係が深い。各地域の国会議員に訴えかけることで、業界が前向きに進んでいけることを願っている。また、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、外国人観光客が多数訪れている。町の酒屋にも訪れる可能性はあるので、外国人にもわかりやすい商品説明など知恵をしぼって考えていきたい。