公取委 不当廉売でナガタ薬品を警告

2011年11月21日

 【大阪】公正取引委員会は、ドラッグストア「アルカドラッグ」経営のナガタ薬品(神戸市須磨区弥栄台1-3-3、中島康伸社長)に対して、独占禁止法第2条第9項第3号(不当廉売)に該当し、同法第19条の規定に違反するおそれがある行為を行っていたとして14日、警告を行った。

 同社は平成22年11月29日から平成23年1月23日までの2カ月の間、滋賀県および兵庫県に所在する「アルカドラッグ」のうち、酒類を取り扱う26店舗においてビールなど(いずれも350ml缶24本入りケースのもの)をその供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、少なくとも3店舗の周辺地域に所在する酒類小売業者の事業活動を困難にさせた疑いがあり、公取委は今後このような行為を行なわないよう警告した。

 今回は、排除命令を出す処分ではないが、不当廉売の行為があり今後、同じような行為が行なわれないよう、行政指導として警告を行なったもの。この問題で最も大きな影響を受けたのは小規模な酒専門の小売業者で、「相当安い金額でも2~3日で廉売が終わるのではなく、繰り返し継続して行なっていた」と公取委は指摘した。

 優越的地位の濫用については毎年、数件の排除措置を出しているが、不当廉売での警告は最近、少なくなっていた。

 <最近の酒類小売業者による不当廉売事件>

 ▽富山カワサキグループ(富山県射水市)に対する件=平成16年7月30日警告▽藤岡圏(富山県射水市)に対する件=平成16年7月30日警告▽柴正(愛知県あま市)に対する件=平成16年7月30日警告▽ヨシダヤ(愛知県津島市)に対する件=平成16年7月30日警告

 (写真はナガタ薬品に対する警告で記者発表する公正取引委員会事務総局近畿中国四国事務所第一審査課)