四国醸造セミナー「本紙」「酒総研」 「日本酒」業界を展望

2011年04月06日

 【香川】四国4県の酒造技術者らでつくる「四国醸造セミナー」の「醸造講演会」が3月29日、高松市古新町の香川県酒造会館であった。業界内外の専門家を講師に招いて会員の各メーカーに役立ててもらおうと、毎年この時期に開いている。

 今回は「(独)酒類総合研究所」の金井宗良(かない・むねよし)製造技術応用研究部門研究員と本紙「醸界タイムス社」の角田大介(つのだ・だいすけ)大阪本社業務部長の2氏を招いた。斎藤尚武会長は冒頭あいさつし、巨大震災の被災者に哀悼の意を示した上で四国の地酒の健闘を祈った。

 講演会は角田部長がトップを切り、「日本酒業界の今後の展望」をテーマにスーパーや業務用など業態別の売上高を示した上で将来的な見通しを予測。「海外向けの戦略が必要になる」として国別の輸出や現地生産の実情を解説するなど各メーカーの活躍に大きな期待を寄せた。

 「老香の出にくい清酒の製造に関する研究」と題して演題に立った金井氏は、原因物質「DMTS(ジメチルトリスルフィド)」について説明。生成の機構や経路を詳しく解説し、メチオニンの減少につながる「無機塩類添加」の仕込み試験を通して酵母の育種の必要性を唱えた。

 酒総研は清酒や酒粕の「機能性」を生かそうと、うつ病や認知症を中心に現代病に効果がある「SAM(S―アデノシルメチオニン)」や「葉酸」についても研究を進めているという。

 会場では参加したメーカーの製造技術担当者や杜氏ら30人が熱心に聴講。次回6月29日は徳島県の日新酒類で「工場見学会」が実施される予定。