酒販年金で東京地裁 砂古被告に151億賠償判決

2010年12月03日

 酒販年金144億円の海外投資を巡り、全国小売酒販組合中央会がクレディ・スイス銀行などを相手取り総額160億円の損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁は投資話を持ちかけた金融ブローカー・砂古健被告に151億円の損害賠償の支払いを命じた。

 全国小売酒販組合中央会が、酒販年金の資金約144億円を海外投資し、大半が回収不能になった事件で、同中央会が投資対象としたチャンセリー債購入時にリスク説明を怠ったなどとしてクレディ・スイス銀行、同行元社員の日下部治郎被告、金融ブローカー砂古健被告の3者に対し総額約160億円の損害賠償を求めた民事訴訟の判決が11月30日、東京地裁で言い渡され、中村慎裁判長は金融ブローカーの砂古被告に対してのみ約151億円の支払いを命じた。

 この裁判で同中央会は、クレディ・スイス銀行には、「詐欺的ないし欠陥のあるチャンスリー債の購入をリスクなども説明せず安全性をうたって勧誘し、かかるリスクの損害を認識しえる状況のもとに購入に関する契約締結を行って資金流失を共同で実現させた一連の行為についての共同不法行為責任」が、また日下部被告には、「虚偽の情報提供または誤った説明を自ら行ったために投資を実行させるにいたらしめた不法行為責任。信義則上負うべき説明義務または契約締結を回避し、少なくとも投資の危険性を十分に認識した上での判断かどうかの確認をすべき義務に違反し、契約内容もしくはチャンスリー債のリスクに関して十分な説明を行わず、または意思確認をしないまま契約締結したことによる不法行為責任」がそれぞれ行われたとして損害賠償を求めていたが、中村裁判長は両被告に対しての損害賠償は認めず原告の請求を棄却。砂古被告に対してのみ損害賠償を命じた。