アサヒビールの中国ビール製造子会社である北京啤酒朝日有限公司(北京市、以下・北京ビール)と杭州西湖啤酒朝日(股份)有限公司(杭州市、以下・杭州ビール)は、青島啤酒股份有限公司(青島市、以下・青島ビール)と受託製造契約をそれぞれ7月下旬に締結し、8月上旬から青島ブランド商品の出荷を開始する。
北京ビールでは青島ビールブランドの「青島純生」を、杭州ビールでは青島ビールブランドの「山水(さんすい)」と「氷醇(ビンチュン)」の2品種の製造を行う。
今回の提携で、従来の各社独自ブランドの製造に加え青島ブランドの製造量が上乗せとなるため、生産操業度が北京ビールで約6%、杭州ビールで約8%向上し、損益の改善効果も見込まれる。
また、青島ビールは、今回の提携で生産物流体制の強化を図り、北京市場では、青島ビールの商品ポートフォリオで高級生ビールと位置づけている「青島純生」の生産能力が全社的に逼迫するなか、北京ビールへ製造委託することで、北京を中心とする華北市場およびその周辺市場への「青島純生」の供給能力を強化することができるという。また、杭州市場では、青島ビールは成長市場である浙江省を戦略市場と位置づけ販売数量を拡大しているなか、杭州ビールへ製造委託することで、同地区での供給体制を早期に構築することができる。
アサヒビールの中国ビール製造各社は、1997年に設立した青島ビールとの合弁会社である深圳青島啤酒朝日有限公司に続き、煙台啤酒青島朝日有限公司(煙台市)が昨年5月から青島ビールの受託製造を開始しているが、今回の受託製造で、アサヒビールの全ての中国ビール製造子会社で青島ビールの製造を行うことになる。
アサヒビールでは、「青島ビールと昨年11月に締結した戦略提携合意に基づき、引き続き両社の企業価値向上を目指し、提携施策の具体化に取り組んでいく」としている。