九州人が日本酒復権に挑む、柱焼酎造りを復活

2005年07月13日

 柱焼酎造りの日本酒を、ロックで楽しむ--。そんなコンセプトで九州の蔵元、酒卸、酒販店が連携し、日本酒の復権、イメージチェンジを目指す“侍ろっく”プロジェクトが始動する。7月中下旬から順次、参加蔵元から同プロジェクト商品(「兜」「雷神」「燕返し」など)が発売される。
 醪に焼酎を添加する柱焼酎造りの技法は、江戸元禄期から明治初期まで行われてきたもので、その製法を再現。蔵元は、一般的に添加される無味無臭の醸造アルコールではなく、自社製造の米焼酎もしくは吟醸酒粕焼酎を醪に加え、「日本酒の旨味はそのままに、加えた焼酎に由来するキレと余韻を持った酒質を実現した」(佐賀県多久市の酒類卸「中村酒類販売」の森山豊一郎常務)。
 その酒をロックで飲(や)る--のがプロジェクトの基幹提案だ。「日本酒を冷酒で普通に飲むと、最初が一番旨く、後は落ちてくるので杯は進まなくなる。純米酒のロックだと、初めは旨いが、氷が溶け出すと水っぽくなって、これも杯が進まない。“侍ろっく”はロックで飲むための酒質設計になっているので、最後まで崩れず、杯が進む」(同)とアピール。柱焼酎造りならではの「本質の強みを再び打ち出す」。
 “侍ろっく”商品(原材料=米・米麹・本格焼酎)のアルコール度は16~17度。容量は720ML、1・8Lなど。参考小売価格は、ある商品の場合は720ML1380円、1・8L2680円の設定。
 今回のプロジェクトにあたり、蔵元、酒卸、酒販店は「九州柱焼酎研究会」を結成し準備を進めてきた。当面の参加蔵元は次のとおり。▽佐賀県=窓乃梅酒造、天吹酒造▽福岡県=小林酒造本店、無法松酒造
 会員組織での限定流通とはせず、オープンに販売していく方針。取り扱いなど問い合わせは、中村酒類販売(TEL0952-75-2161)森山氏まで。