サッポロビール 世界初の宇宙ビール

2008年12月12日

 サッポロビールは、岡山大学資源生物科学研究所の杉本学准教授(専攻:細胞分子生化学)、ロシア科学アカデミー生物医学研究所の協力を得て、世界初の宇宙ビール「SAPPORO Space Barley」を試験醸造した。わずか100lの醸造のうち、そのほとんどを試験用として使用するが、その一部について、全国6工場(北海道、仙台、那須、千葉、静岡、新九州)で試飲イベントを実施し、抽選で30組60人の一般消費者を招待する。

 同ビールは、宇宙におけるビール用大麦の可能性を探るため、岡山大学と共同で行っている「極限環境ストレスの大麦への影響調査」の研究の一環として醸造したもので、「宇宙を旅した大麦の子孫」を100%使用したビールとなっている。原料の麦芽は、国際宇宙ステーションのロシア実験棟内で5カ月間保管した大麦種子を持ち帰り、同社群馬工場内にあるバイオ研究開発部の試験圃場で生育させて今年5月に収穫した、同社が開発したビール用大麦「はるな二条」。

 今回の招待する一般消費者には、この「Space Barley」を試飲してもらうとともに、試飲証明書の授与や工場見学を予定している。

 また来年には、同イベントのほかにも、現在も育成中の「宇宙を旅した大麦の子孫」を利用して、各工場で地元の子どもたちを対象に「宇宙教室」や「宇宙の麦茶の焙煎・試飲体験」の実施も予定している。

 同社では、これからも同研究を通じて、宇宙に関する話題喚起、並びに将来を担う子どもたちの教育や宇宙への興味関心の醸成に貢献し、宇宙における食の可能性を追求し続けたいと願っている。

 【試飲イベント概要】▽開催場所・日時=北海道工場(2009年1月16日午後2時から)、仙台工場(同1月13日午後1時から)、那須工場 (同1月7日午後2時から)、千葉工場(同1月21日午後2時から)、静岡工場(同1月9日午前10時から)、新九州工場(同1月13日午前10時から)▽募集人数=各工場5組10人