【鹿児島】本格芋焼酎メーカー・大口酒造協業組合(本社・大口市、川原健一代表理事)は4月16日、レギュラー商品「白麹仕込・伊佐錦」「黒伊佐錦」を含め、甘藷製焼酎全商品の値上げを発表した=代表銘柄の改定価格表別掲=。同日中、特約卸に価格改定の内容を伝えた。
実施は今年7月1日。参考小売価格(税込)上げ幅は、アルコール度25度、1・8lびん詰品、九州・山口価格で106円。本州・四国価格で104円。値上げ分の配分は、生産・卸・小売で6・2・2のもよう。
同社の昨年度の販売量は、100%甘藷製本格焼酎で約5万1800石。値上げ理由は大きく2つ。「芋焼酎の主原料であるサツマイモの価格が高騰し」、「今年4月から焼酎製造で発生する廃液の海洋投棄が原則禁止され、それらの処理に対応する設備の増設などにより、環境対策でのコストが加わったため」。2003年来の原油価格高騰に由来し、製造にかかわる、あらゆる原材料コストの上昇もあって、値上げに踏み切った。
コストアップに伴い、本格焼酎メーカーが値上げを模索する動きは、昨夏以来強まったが、芋製以外の焼酎は値上げ要因が弱いこともあり、同時期実施は難しいと見られていた。芋焼酎についても、値上げ気運が高まる反面、消費者の納得を得ることができるのか、小売店頭価格上げや小売店への納価上げがスムーズにいくのか、甲乙混和焼酎との価格差も広がり、需要に影響が出ないかなどの懸念から、メーカー間で実施へのスタンスに温度差が見られるようになった。
今回の発表を皮切りに、芋焼酎の値上げに関しては、鹿児島県内の中堅メーカーが追随することが濃厚だが、県内大手メーカーは態度を明らかにしていない。宮崎県大手の動きも注視されている。