アサヒビール NECと共同で「輸入ワイン中味自動検査機」開発

2019年05月29日

 アサヒビールは、日本電気(NEC)と共同で、画像処理技術を活用した「輸入ワイン中味自動検査機」を開発した。現在、人が目視で実施している輸入ワインの検品作業の品質水準を維持した上で、さらに「自動検査機」を導入し効率化することで、最適な品質管理体制を目指す。

 「自動検査機」は、赤外光照明やカメラおよび画像処理技術を活用することで、ワインに異物が混入していないかを確認する検査装置で、作業員が検査機にワイン瓶をセットして検査をすると約10秒間、瓶が傾斜・旋回する。その際、液体に緩やかな渦流が発生するため、ラベルの陰に隠れた異物まで高精度に検出することが可能という。また、あらかじめ各種瓶形状に応じた最適な傾斜・旋回パターンの設定や赤ワインや白ワインなど液色に応じた最適な光量、撮像タイミングを設定し登録することで、作業員は検査したい品種を選択すれば自動で検査することが可能という。

 2019年4月から輸入ワインの受入拠点である横浜倉庫に「輸入ワイン中味自動検査機」を1機導入してテスト稼働を開始。9月から3機に増設し、検査ラインとして1ラインを本格稼働する。2021年内までには、関西と九州の倉庫にもラインを順次導入し、全国3カ所に合計4ライン(12機)で自動検品ができる体制を目指し、時間当たりの検品生産性は3倍となる見込み。

 同社では自動検査機の導入により、効率化や今後見込まれる労働力不足にも対応できると期待しいる。