日本酒造組合中央会が飲酒動向調査 日本酒は「伝統的」「料理に合う」

2017年06月14日

 日本酒造組合中央会は、今年1月に全国の20歳~79歳の3000人を対象に実施した「日本人の飲酒動向調査」の結果を発表した。

 同調査は、核家族化や少子高齢化、健康志向の高まりなどライフスタイルが変遷する中、日本人の食生活や飲酒動向を明らかにし、調査を通じてより豊かな生活や飲酒ライフを提案していくことを目的にしたもので、1988年の調査以来、約30年ぶりの調査となる。

 <ランキング編>
 【直近で飲んだお酒はビールが1番。日本酒は約3人に1人が飲酒】1カ月間で飲んだお酒を尋ねたところ「ビール」が61・2%と最も高く、「日本酒」は2番目に高い35・5%、「ワイン」が3番目に高い32・5%という結果になった。また、酒類別でみると「日本酒」は60~70代で最も飲まれており、「カクテル」や「ハイボール」は20~30代に、「ワイン」や「ウィスキー」はどの年代でも飲まれていることが分かった。

 【日本酒は「伝統的」「通向け・本格的」なイメージがあるお酒として1番に】各酒類のイメージを尋ねたところ、日本酒に対しては「伝統的」「料理に合う」が上位を占め、「伝統的」「通向け・本格的」が全酒類の中で一番高い結果となった。また、ビールは「のどごしがいい」「親近感がある」、ワインは「香りがいい」「特別な時に飲む」、ハイボールは「若者向け」が上位となっている。

 <男女編>
 【お酒を飲む女性が増加(52・6%→72・9%)。気分転換にお酒を嗜む人が増えている】飲酒率を尋ねたところ、1988年と比べると男性は減少・女性は増加していることが明らかになった。特に女性は「飲む・飲める(飲めるがほとんど飲まない人含む)」人が約20%も増加。30年前と比べ、お酒を嗜む人が増えていると考えられる。また、飲酒量の増減理由を尋ねたところ、「普段の生活でのストレス頻度が変わった」という回答も多く、男性の30代・50代についで、女性の20代・40代が多い結果となった。

 <年代別編>
 【若年層はお酒離れしていない?20代はチャレンジ意欲が旺盛】飲酒量やお酒購入時の意識を尋ねたところ、20代は1回あたりの飲酒量が多い傾向があり、ビール以外のお酒を飲む量は他の年代に比べて最も高い結果となった。また、若いほど新しいお酒へのチャレンジ意欲が高く、銘柄指名買いをしない傾向も明らかになった。

 <ライフスタイル編>
 【中~高齢層に比べ、若年層ほどソト飲みの傾向(5・5回/月)が明らかに】飲酒を始めた場所を尋ねたところ、1988年に比べて「居酒屋」で飲み始めた人が約25%も増えていることが明らかになった。また、どこで飲酒するか頻度を尋ねたところ、自宅で飲むに回数が多い(全世代の平均14・2回/月)ことが分かった。一方、外で飲む人の傾向を調べたところ、若年層は中~高齢層に比べ自宅以外での飲酒頻度が高いことも分かった。

 【日本酒を食前酒から「食中酒」として飲む人が増えている(21・1%→68・5%)】一番最近の飲酒で日本酒を飲んだ人に日本酒を飲むタイミングを尋ねたところ、1988年と比べて「食前」から「食中」と答えた人が約45%も増え、日本酒を飲む人の約70%が食中酒として楽しんでいることが分かった。