日本酒造組合中央会 租特87条の恒久化を求める決議を採択

2017年06月12日

 日本酒造組合中央会は6月8日、第64回通常総会を明治記念館で開催し、上程の議案を審議、可決した。総会では平成29年度末で適用期限を迎える租税特別措置法第87条の恒久化を求める決議を満場一致で採択した。

 冒頭、篠原成行中央会会長は、平成29年度税制改正で清酒と果実酒の税率格差が是正されたことに触れ、「今回の改正は、酒税の中長期的な方向性を明確に示すもので、組合員はこれを契機により一層の経営基盤の強化につなげてもらいたい」と述べた。また、10月1日から実施される訪日外国人旅行者向けに製造場で販売した酒類に係る酒税の免税制度が実施されることについても、積極的な活用を呼び掛けた。

 大会決議とした「租税特別措置法第87条の恒久化」については、「中小零細企業を抱えるわれわれの業界を取り巻く環境はまだ厳しい状況に置かれている。本総会でわれわれ業界の要望として、租特87条の恒久化を求める総会決議を行う。業界一丸となってわれわれの願いを叶えていくためにも各地で要望の協力をお願いしたい」と話した。

 総会には財務大臣の麻生太郎氏があいさつを行い(木原稔財務副大臣代読)、「平成29年度税制改正で税率構造を見直し、平成32年から段階的に清酒の税率を引き下げることとしたほか、訪日外国人旅行者向けに酒税の免税制度を創設した。こうした措置で業界の一層振興が図れるよう、期待している。また酒類の公正な取引に関する基準など酒税法など一部改正法が今月から施行された。酒類の公正な取引に努めてもらいたい。また、国税庁では清酒の地理的表示に山形を新たに指定した。ブランド価値向上をさらに図り、各地の酒造組合で需要促進や海外での需要促進が高められることを期待している。今後も創意工夫を凝らした酒造りとより良い品質の酒造りを行い、わが国古来の伝統を守り続けてもらいたい」と述べた。