酒類小売業者の概況 酒類小売業者は9万6000場に

2017年03月14日

 国税庁は、「酒類小売業者の概況」をまとめ公表した。現在、酒類小売場数が最も多い形態はコンビニエンスストアで、一般酒販店を8000場程度上回った。一方、販売数量で見るとスーパーマーケットとなり、308万klを販売。全体の37%を占め、一般酒販店の販売数量は14%に留まった。

 国税庁は平成27年度調査分の「酒類小売業者の概況」をまとめ公表した。調査は、酒類小売業者の業態別、小売数量規模別および売上高規模別などで実態を明らかにし、併せて酒類行政上の資料とすることを目的に実施されているもので、酒類小売業者から提出された「『未成年者の飲酒防止に関する表示基準』の実施状況等報告書」および「酒類の販売数量等報告書」の各欄に記載された数値を集計し、公表したもの。

 調査の対象となる酒類小売業者は9万5963者で、これにかかる酒類販売場数は16万2123場となった。

 事業者数は一般酒販店が最も多く4万4206者で全業態に占める割合は46・1%となった。次いでコンビニエンスストアは3万3462者で34・9%、スーパーマーケットが3338場で3・5%となった。一方、販売場数ではコンビニエンスストアが最も多く5万4845場で33・8%、一般酒販店は4万6068場で28・4%、次いでスーパーマーケットが2万483場で12・6%と続く。

 小売数量が最も多いのはスーパーマーケットで308万1953klとなり全体の37・4%を占めた。一般酒販店の小売数量は、114万352klで13・8%となった。次いで多かったのは販売場数が3409場の量販店で小売数量は100万8148klとなり12・2%。一般酒販店の小売数量の差は13万klまで迫った。

 酒類の売上高規模別事業者数で見ると、一般酒販店は回答した2万7538者のうち300万円以下が最も多く1万2007者、スーパーマーケットは1782者のうち300万円以下が367者、コンビニエンスストアは1万6805者のうち1000万円超1500万円以下が4092者なった。

 欠損事業者は全体で1万1278者で、うち一般酒販店が6699者で最も多く、コンビニエンスストアが2602者、スーパーマーケットは406者となった。一般酒販店のうち酒類の売上高が300万円以下の事業者は3839者が欠損となっており、売上高が低い事業者ほど欠損が高くなる傾向が見られた。

 業態別の損益(1者平均)では、一般酒販店の総売上高は6895万円、うち酒類小売による売上高は1923万円、営業利益は95万円、税引前純利益は112万円となった。コンビニエンスストアの総売上高は4億9915万円、うち酒類小売による売上高は2257万円、営業利益は3040万円、税引前純利益は2853万円。スーパーマーケットの総売上高は140億9490万円、うち酒類小売による売上高は6億856万円、営業利益は2億4272万円、税引前純利益は1億5300万円となった。

 酒類小売業者の営業時間は合計で224万3479時間となり平均では15・3時間。うち半分以上の114万3868時間がコンビニエンスストアの営業時間となっている。またリターナブルびんの回収割合は93・7%となり、ほとんどの業者で回収が進んでいることも分かった。