城島蔵びらき

2017年02月24日

 【福岡】九州最大の蔵開きイベント「城島(じょうじま)酒蔵びらき」(第23回)が2月11・12日開催され、両日合わせ11万人が来場した。2015年に並ぶ過去最多で、交通に支障が出た初日の寒気を吹き飛ばす結果となった。城島は兵庫の灘・京都の伏見・広島の西条とならぶ日本酒どころ。城島町・三潴(みずま)町を中心とする地域一帯を指し、9蔵が参加する。筑後酒造り唄が披露されたメイン会場では、チケット制で43種の酒を飲みくらべ。角打ちに興じたり、湯せん燗で酌みほっこりしたり。参加蔵元を無料シャトルバスやウォーキングで巡ることが出来るのも酒のまちならでは、だ。会場や駐車場でのドローン使用は禁止された。 

 「城島酒蔵びらき」は実行委主催、久留米市・久留米南部商工会・久留米南部観光物産振興会の共催。久留米観光コンベンション国際交流協会をはじめ新聞社やテレビ局、交通機関(西日本鉄道・JR九州・日本航空)が後援する。特別協賛には久留米市の泉屋酒販も。

 参加蔵元は久留米市3町=城島・三潴・大善寺=の9蔵。▽旭菊酒造▽池亀酒造▽筑紫の誉酒造▽花の露▽比翼鶴酒造▽萬年亀酒造▽瑞穂錦酒造▽杜の蔵▽有薫酒造。

 メイン会場の城島町「町民の森」には左党や子どもが喜ぶ屋台、蔵元の商品販売ブースも並びごった返した。杜の蔵と深縁の酒販店「酒肆(しゅし)とみまつ」(久留米市)の出展は前身イベントから続いている。

 「城島の酒飲みくらべ」参加には専用チケット12枚綴り猪口付600円を購入。9蔵43種をクラス分けしチケット払いで猪口1杯飲める。対象は「1枚」普通酒~本醸造酒14種、「2枚」純米酒14種、「3枚」(純米)吟醸酒~(純米)大吟醸酒15種。気の合った仲間とじっくり城島酒に浸りたい左党には肩寄せ合う「角打ち」が人気だった。

 昨年からの温め酒企画「ほっこり、お燗コーナー」には燗上がりする9蔵22種、特別純米や本醸造から普通酒まで揃え1杯300円。お好みの酒温が選べるよう①ぬる燗45℃②あつ燗50℃③とびきり燗55℃と分けスタッフが温度計で確かめ提供した。燗映えの酒に驚きの声が上がる。

 蔵巡りの楽しみは各蔵の趣向を凝らしたもてなし。造り手との交流が醍醐味だ。しぼりたてなど限定酒の試飲即売や、酒粕など使ったスイーツ、混雑を避け寛げる座敷を用意した蔵元もあった。その名も“酒の間”。場内ではホーミー・馬頭琴ライブまで。甘酒人気が続いているようで、市販商品は無いという蔵元もあった。後日催す単独蔵開き告知も見られた。酒造りについて蔵人が丹念に説明し、米麹を食べてもらうなどの試みも。大切に伝えたいことだと分かった。

 酒蔵びらき関連で、西鉄は三潴駅・最寄駅往復の飲みくらべ割引券付き記念きっぷを発売。JR久留米駅は満喫ウォーキング、JALは搭乗で日本酒が当たるキャンペーンを行った。

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 3月に入ると「城島郷・酒街道をゆく」がある。にしてつ電車・バスで今回参加蔵のうち6蔵(池亀・筑紫の誉・花の露・比翼鶴・瑞穂錦・有薫)を自由気ままに巡ることが出来る。

 “城島の街並とお酒を心ゆくまで堪能する3日間”――。開催日は3月4・18・25日(すべて土曜日)10~16時。飲みくらべおちょこ(200円)を蔵元で買うと各蔵で2杯、5蔵巡りなら10杯飲める<日により非参加蔵有り>。城島へは西鉄の電車・バス1日乗り放題きっぷ大人2060円がお勧め。大善寺駅から無料シャトルバスが運行され、巡路にはうなぎやエツの料理店や瓦工場、製麺直営店、物産館なども。城島エリアの菓子店がお酒使用のスイーツを開催日限定で販売したり、参加者には温泉入浴料割引もある。

 ▽主催・問合せ=久留米市西部ツーリズム協議会TEL/0942―62―2115