福岡県小売連第55回通常総会 新会長に徳島真次氏 中央会組織再生へ意欲

2008年03月11日

  【福岡】福岡県小売酒販組合連合会(県下20単組、春本武男会長)は2月28日、福岡市内の組合会館で第55回通常総会を開催し、平成20年度一般会計予算案(収支713万1749円)など上程議案を可決承認したほか、任期満了に伴う役員改選を行い、理事の徳島真次氏(48)=直方小売酒販組合理事長=を新会長に選出した。同氏は県連で副会長職を務めた経歴はなく、難局の組合運営を若い力にゆだねる総意が反映された。

 総会には福岡局・坂井隆彰酒税課長が臨席。冒頭あいさつで春本会長は、県内での飲酒運転事故により、飲酒そのものに対し世論の厳しさが増していることに言及。百薬の長であることや、コミュニケーションを円滑にすることなど、酒類の飲用の利点を業界が委縮することなくアピールする必要性を訴えた。

 議案審議では活発な討議が展開された。県下で分散実施となっている未成年者飲酒・飲酒運転防止キャンペーンを、マンネリの“帳面消し”に陥っているとする問いには、春本会長が「県単位のレベルでできないか要請している」と答弁。より効果的な活動へ意欲を見せた。

 酒類販売管理者研修をめぐっては、国の施策への批判が噴出。「酒のサの字も知らない人が、3時間受講すれば、酒が売れるようになる。われわれは(酒販業従事の)経験が3年なければ売れなかった。(二十歳未満には酒類は販売しない)表示にしても、大型店では実施されていない。非組合員では特にひどい。“監視員制度”を早くつくらなければ大変なことになる」。

 免許問題については、「酒税法10条11項は厳然として在る」と大島和加丸氏(西福岡組合)が指摘。酒類の需給に関する法規定を無視する形で、小売外しの規制緩和を決めた国税庁長官通達を問題視するもので、法順守への働きかけを求めた。春本会長は、「国の規制緩和計画があり、政治を変えない限りどうしようもない」と答弁。大島氏は、「法律は守られるべきで、その順守は政治ではなく、(通達を出した)行政に求めるべき。県連会長はそうした決意を持つべきだ」と主張した。

 門司組合の阿波武夫理事長は、酒類販売の規制を求めた。「スーパーの(購入ごと)ポイント10倍付けで、4リットル焼酎を4本、発泡酒を5ケースも買い込んだ話を聞いた。薬物を野放しで売るやり方を放置すべきではない」。

 市場問題では実効性のない公取施策への批判、組合運営では県が徴収の人員割1600円の引き下げを求める声も上がった。組合の保有資産を問う質疑では、簿価では1400万円の組合会館の土地評価額が、時価では3億3600万円との参考価格も示された。

 役員改選では、県下20単組の理事長を、県連役員(理事)に推挙・承認後、新理事の互選で徳島氏を新会長に選出した。徳島新会長は就任あいさつで、「徹底的に情報開示し、それで議論いただき、集約した意見を中央会へもっていき、中央会の改革へ粉骨砕身頑張りたい」と述べ、中央会組織の再生へ強い意欲を示した。

 県下組合員数は平成20年1月1日現在3031者(前年比343者減)--の状況。

 新・正副会長 ▽会長=徳島真次(新任)▽副会長=屏正一(留任)、髙田正穂(同)、澤村弘義(新任)、倉員利之(同)