JR熊本シティ、熊本県産日本酒イベント第3弾『熊本新酒まつり』開催

2023年03月31日

 【熊本】JR熊本シティ(熊本市)が主催する日本酒イベント第3弾『熊本新酒まつり』が3月17~19日、熊本市のアミュひろば(JR熊本駅白川口駅前広場)であり、3日間計約4万4千人が来場した。熊本県内の日本酒蔵が一堂に出展し、旬酒を味わってもらう企画。チケット販売も6200枚に上った。

 ▽協力=熊本酒造組合、JR九州商事▽協賛=熊本県い業生産販売振興協会、熊本県いぐさ・畳表活性化連絡協議会。それで、熊本県産い草を使った畳(たたみ)敷きの広間が出現。出品酒の小売販売も可能とした。熊本県は藺草(いぐさ)、畳表の生産量で全国の95%を占める〝畳(たたみ)のふるさと〟で、昨秋に続く県産日本酒とのコラボ。畳広間は当初100帖を計画していたが、収容人数を増やすため60帖とし立ち飲みスペースを広げた。

 熊本県は「熊本酵母」の分離培養〈昭和27年(1952)。昭和43酒造年度から「きょうかい9号酵母」として全国頒布〉をはじめ、画期的技術革新のけん引で吟醸酒造りの礎を築いた日本酒銘醸地。また地下水に恵まれる〝水の国〟。県内の湧水源は1000カ所以上にのぼり、熊本県民の生活用水の約8割が天然地下水で賄われている。

 日本酒の蔵元は今回8社が出展。▽「亀萬」亀萬酒造▽「七歩蛇」河津酒造▽「香露」熊本県酒造研究所▽「瑞鷹」瑞鷹▽「千代の園」千代の園酒造▽「通潤」通潤酒造▽「美少年」美少年▽「れいざん」山村酒造。しぼりたてやおりがらみの生原酒、寒造りヌーボー、ささにごりなど各蔵2銘柄、計16銘柄が出品された。

 入場無料。チケット制〈税込1200円=ドリンクチケット×3枚〉での杯売りとした。1杯は5勺約90㎖での提供。

 新酒と共に楽しんでもらうおつまみ販売は、県内やアミュの飲食店が担い、天草大王だご汁・天草大王串焼き・赤牛炭火焼・海鮮串・辛子蓮根・豆腐味噌漬け・ちくわ天等々、地の御馳走であふれた。

 出展蔵元は凄まじい人出に驚き「嬉しくて元気になる」と話した。駅前開催ならでは「たまたま通りがかり参加された方が意外に多い」とも。「県内のほぼ全蔵の日本酒を、1カ所で飲めるのだから、日本酒好きにはこれ以上ない、もってこいのイベントなのでしょう。JR熊本シティさんならでは消費者が関心を持つような情報発信も有難い」と企画そのものの誘客力に納得の様子だった。

 畳の香りが懐かしく「品の良い雰囲気」。次々と団らんが花開いた。県内外からの多くの買い物客、JR乗降客が行き交う地の利はもとより畳効果も大きかったようだ。

 くまモン大好き、キャッシーさんは来日9年。今回、憧れのくまモンが生まれた熊本を仕事で訪れることになり、くまモンワンカップもゲットできた上に、偶然知った『熊本新酒まつり』に参加できて、熊本の日本酒に出会った。「とてもスムース。これまで飲んだお酒はアルコールがきつく感じたり、引っ掛かるような感じがすることがあったが、それがまったくなく、本当に熊本のお酒が好きになった」と、まさに幸せ重ね。

 熊本県産清酒の令和3酒造年度(令和3年7月~4年6月)課税移出数量〈出荷数量、日本酒造組合中央会調べ〉は総計で939㎘(約5200石)で前年同期比103・1%。コロナ禍以前・令和元酒造年度との対比では83・2%で推移している。