菊美人酒造が『酒蔵びらき』

2023年03月31日

 【福岡】日本酒「菊美人(きくびじん)」醸造元、菊美人酒造(みやま市瀬高町、江﨑俊介社長=九代目蔵元)で3月18・19日『酒蔵びらき』イベントがあり約4000人が来場した。今年で20年目。コロナ禍のなかでも中止することなく続いてきた。

 創業は1735年。社長だった江﨑喜三郎氏の妻、加代さんは福岡県柳川の北原酒造場・北原長太郎氏の長女で、柳川の詩聖白秋の実姉にあたる。菊美人の酒銘は白秋直筆。書画など白秋コレクションも公開した。

 蔵内見学と、釜場で蒸し上げる酒まんじゅうの販売が無いだけで、あとはコロナ以前と同じに戻った。十分な飲食スペースが用意され、パーテーションも設けなかった。

 「槽(ふな)しぼり。しっかりとしたボディ」で惹きつける。無料試飲は10種類以上。特製ぐい呑み100円で存分に楽しめる。有料試飲も。「この酒を飲まずして菊美人の蔵びらきに来たと言うなかれ」とアピールしたのが純米大吟醸で、県酒類鑑評会で2年連続「県知事賞」を受賞している。2年連続県議会議長賞のしずくどり斗瓶囲い、さらに20回目の蔵びらきを記念し2012年上槽「しずくどり斗瓶囲い大吟醸10年古酒」が登場した。

 県知事賞を受賞したのは山田錦40%精米の純米大吟醸で、火入れ酒だったが、蔵開きでは今年2月24日上槽したばかりの新酒生々を、その場で詰めて販売した。濾過せず・火入れせず・加水せずの「裏純米」はラベルの酒銘も裏返し。「つやおとめ純米酒」は地元みやま産の減農薬飯米で醸した〝ザ・みやま〟。地元みやま産の梅を使い日本酒ベースでつくった「うらごしにごり梅酒」を〝大人のネクター〟と銘打ちアピールした。

 県下一との噂、県産酒米100%で仕込んだ「うまれたて甘酒」は振る舞い。みやま産もち米を使い蔵元が手作りした「菊美人の菊餅」も販売された。

 利き酒コンテストも復活した。6種を利き当てる難問で、名人位賞状と県知事賞の純米大吟醸の獲得を目指す。2日間で約600人がエントリーし13人が全問正解した。