キッコーマン 中央研究所が竣工

2019年09月11日

 【千葉】キッコーマンは「キッコーマン中央研究所」(野田市野田338)を竣工し、10月から稼働すると発表した。


 同社はこれまで将来の製品開発の軸となる基礎研究から商品の開発研究まで、国内外の研究機関との連携をはかりつつ活動してきたが、さらなるグループ研究・開発力の強化を目指し、国内の研究所を集約する形で新たな研究開発拠点を建設した。総工費は約70億円。

 同研究所は新たな領域への挑戦として、基礎・基盤研究の強化・集中を行う環境を整えることに加え、既存事業の商品開発力の強化を目指し、差異化技術を蓄積するためのパイロットプラント設備を新設した。また、免震構造の採用など安全面の強化や、環境への配慮にも取り組んでいる。

 特長として▽機能別のラボフロア、市松状のオープンフロアで上下階のつながりを高めた明快な2層構成▽メイン棟2階=オフィス、会議室、カフェなどを開放的なワンルームに設置▽パイロットプラント棟=差異化技術を蓄積するための設備を備える▽メイン棟1階=実験室を集約し機能別に配置――となっている。

 8月29日に同研究所で行われた記者会見では堀切功章社長が説明を行った。その中で堀切社長は「当社の長期ビジョン『新しい価値創造への挑戦』の核となるのがこの新研究所だ。醤油の基礎研究を強化し醤油事業の可能性を広げる。また、時代のニーズに合った新しい食品の開発も担っていく」と説明を行った上で「パイロットプラントを新設したことで、発酵、醸造技術を生かした新領域への挑戦も可能となる。内部で情報共有を活発に行えるよう、オープンな空間をコンセプトに建設をした。研究者同士のアイデアのシナジーが発揮できる施設になったと思う」と語った。