蔵開き 無法松酒造

2016年04月14日

 【福岡】日本酒と焼酎の醸造元、無法松酒造(北九州市小倉南区)で4月2・3日蔵開きがあり約2000人が来場した。芋焼酎「平尾台」「ほたるの里」の芋作り焼酎造りに係わった大学生も出展。取組をPRした。

 1877(明治10)年創業。紫川をさかのぼる小倉郊外、カルスト台地や鍾乳洞で知られる平尾台を臨む立地。社長の山家勉さん(やまが・つとむ=38)が杜氏を務める。日本酒の「無法松」は情に厚い小倉っ子、富島松五郎の通称、特別純米酒「舞姫」は森鴎外の小説に由来する。蔵に隣接する法円寺には鴎外の書による「山家先生之碑」もある。焼酎には麦「相思相愛」「孔雀王」、地元名産・合馬のタケノコを使った「合馬のかぐや姫」など。限定酒を含め多彩な商品の試飲即売が両日行われ、平尾台特産「箸休め・ゆず香」や小倉名物「ぬかみそだき」などの屋台も賑わった。

 平尾台・ほたるの里(ともに黒麹仕込み、減圧蒸留)は今年2月発売。北九州市立大が地域農業の再生や農産物加工・販売などを研究する「地域創生学群『猪倉実習』」から生まれたもの。北九州市八幡東区猪倉(いのくら)の耕作放棄地で黄金千貫を栽培し、焼酎の仕込みも行い、ラベル等商品デザインまで手掛けた「地元の産・官・学・域連携の商品」(山家さん)。大手流通が取扱うなど手応えは大きいという。