本格焼酎事業協同組合総代会 事業の維持継続目指す

2010年06月28日

 【鹿児島】本格焼酎事業協同組合(本坊喜一郎理事長、事務局・鹿児島市)は6月18日、鹿児島市内のホテルで第19回通常総代会を開催し、上程全議案を可決承認した。組合はリサイクル推進のため、1・8l瓶6本入り九州域内・統一通い箱“九州P箱”(以下九P)を運営する団体。設立は平成3年5月。近年は、本格焼酎などの流通広域化から九州外へ流出する九Pが増加する傾向があり、1・8lびん商品の減少やダンボール箱でのワンウエイ出荷の増加など事業運営を難しくする実態がある。平成22年度事業計画案では「厳しい現状を理解し、危機意識をもって事業の安定、維持継続のため協力する」と明記した。

 本坊理事長はあいさつのなかで、「デッドストックや箱の劣化に伴う廃棄数量の増加、一方では、あってはならない九州域外への出荷が依然として続いているなか、真に組合員のために必要な数量が確保され、有効に利用されているとはいえない状況にある」と指摘。「昨今の環境問題への対応という観点に立つと、まさに時宜を得た事業」だと強調し、その存在価値を積極的にPRしていくことも訴えた。

 同事業へは現在、九州の本格焼酎・清酒メーカーなど249者が出資。九州域内専用箱として、利用は域内(沖縄を除く福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・鹿児島・宮崎)に限定され、本格焼酎・清酒など組合員以外の他業種(醤油・酢・油等)の転用は禁じられている。利用料は漸次低減され、現在は1箱1回当たり36円。

 組合では事業開始当初の4年間に、500万箱の九Pを投入。その後平成9年に40万箱、16年30万箱、21年21万4000箱を追加投入してきた。

 22年3月末在庫は86万7000箱。域外流出箱は年間2万5000箱に及ぶ。昨年度は11万1000箱を回収。その回収コスト(支払運賃)は約1300万円。地域別には関東(全回収に占める構成比45%)、関西(同37%)からの回収比率が高かった。21万4000箱の新箱投入には約1億2000万円を要した。

 21年度の使用料徴収対象1・8lびん出荷本数は、約1200万本で、11年比44%。使用料は約7200万円で同年比27%にまで減少している。

 今年度事業計画では、“1”九P事業への存在価値、環境問題への貢献等を積極的にPRする“2”九州硝子壜商業組合やP箱レンタル業者等との協力体制を緊密にし、域内外に放置されている九P箱の回収徹底を図る--などが盛られた。