但馬杜氏組合 最優等賞 9点が受賞

2009年05月11日

 【兵庫】但馬杜氏組合(岡田弘俊組合長)は4月24日、「第64回但馬杜氏自醸酒研究会」の一般きき酒会と、表彰式を村岡体育館で開催し組合員54人が参加した。

 同会は組合員が従事している製造場で醸造された清酒を出品し、他社の酒をきくことにより、技術向上・研鑽に資することを目的に開催されたもの。

 今回、出品された酒は▽吟醸酒=92点▽純米酒=74点▽普通酒=56点--の計222点。審査は4月23日に審査長である木下実氏(大阪国税局・鑑定官室室長)を筆頭に6人で行われ、最優等賞に9点が選ばれた。

 審査報告に立った木下氏は「いずれも品質が高く、欠点を指摘することは難しい。審査は優劣をつけにくく困難を極め、12回も審査を行った。こんな苦しい審査は珍しい」と出品酒のレベルの高さに驚きを示すとともに、上位入賞酒については「ほれぼれするようなお酒がそろっていた。入賞を逃した酒についても、素晴らしいものが多々見受けられた」と講評。また、杜氏の存在意義について「昨今は厳しい情勢だが、酒は工業製品ではなく、杜氏の独特の感性がないと造れないもの。造り手の姿が見えるものが注目される中、杜氏は日本酒業界の復権に欠かせないものだ」と語った。

 事務局長の鐘谷氏は今後の組合運営について「毎年、5、6人ずつ組合員が減少している状況。但馬杜氏の技術を伝承した社員杜氏の人の中にも、組合に入りたいと言ってくれる人がいるが、なにぶん他県の蔵も多いため難しい。他県の人も組合に加入してもらえるような制度の検討が必要だ」と語った。

 最優等賞受賞銘柄は次のとおり。(銘柄=醸造場名・出品人<区分>)

 【最優等賞(兵庫県知事賞)】▽播州一献=山陽盃酒造・中井増時(吟醸)▽川鶴=川鶴酒造・寺谷保(同)▽酒一筋=利守酒造・田村豊和(吟醸)▽天下錦=福持酒造場・南部孝春(純米)▽竹泉=田治米・中西亨(同)▽月の桂=増田德兵衞商店・中村茂松(普通)

 【最優等賞(兵庫県議会議長賞)】▽美冨久=美冨久酒造・井上昇(吟醸)▽月の桂=増田德兵衞商店・中村茂松(純米)▽白鷺の城=田中酒造場・岸進(普通)