国税庁 単式蒸留焼酎の概況まとめる

2019年05月08日

 国税庁は、福岡国税局および熊本国税局管内に住所地または本店所在地があり、単式蒸留焼酎の製造免許を有している者を対象にした「単式蒸留焼酎製造業の概況」をまとめ公表した。それによると回答した265者の1者当たりの売上高は、前年に比べて1・8%減少となる11億8000万円で、営業利益も14・7%減の7500万円と、いずれも減少となった。

 調査対象者は271者で、うち265者から回答を得た。回答者のうち、専業の者は214者で全体の80・8%を占め、中小企業者(資本金3億円以下の法人ならびに従業員300人以下の法人および個人)は264者で99・6%となった。

 課税移出数量の構成比では、製成数量が5000kl超の専業者は14者で全体の製成数量の64・9%を占めるなど、高い数字となった。

 県別の業者数は、鹿児島県が最も多く106者で全体の40%を占め、次いで熊本県が37者(14%)、宮崎県が36者(13・6%)、大分県と福岡県がともに29者(10・9%)となった。県別に専業者と兼業者の割合を見ると、福岡県、長崎県、佐賀県で兼業者の割合が高くなった。

 地域別の課税移出数量を見ると、課税移出数量が最も多いのは宮崎県で全体の37%(14万370kl)を占め、前年と比較して構成比が1・3%増加した。移出先地域別の課税移出数量をみると、九州内と九州外では、九州外に向けた移出の割合が64・2%と高く、九州内では、自県内に向けた移出の割合が55・4%と高かった。

 県別に見ると、九州外に向けた移出の割合は大分県が最も高く90%となった。反対に九州内に向けた移出の割合が高いのは福岡県で74・9%となった。また自県内に向けた移出の割合も福岡県が最も高く70・6%となった。

 課税移出数量の構成比を主原料別に見ると、宮崎県、鹿児島県の2県では芋焼酎が最も多く、熊本県では米焼酎が、福岡県、佐賀県、長崎県、大分県の4県では麦焼酎の割合が最も高かった。当該割合は、各県とも7割を超える数字となっている。

 単式蒸留焼酎製造業に係る1者当たりの売上高は、前年と比較して3000万円(1・8%)減少し11億8000万円となり、1者当たりの営業利益についても前年と比較して1800万円(14・7%)減少し7500万円となった。

 また、営業赤字の企業の割合は、前年と比較して3・4%増加し128者となり、営業利益50万円未満の企業を含めた割合も5・3%増加し145者となった。

 企業全体の税引前利益を前年と比較すると、欠損企業が2・1%増加し95者となり、低収益企業を含めた割合も2・6%増加し112者となった。

 なお単式蒸留焼酎製造業全体の売上高は、2862億1300万円となり、前年の2964億7200万円に比べて102億5900万円の減少となった。

 単式蒸留焼酎の輸出状況は、輸出先国(地域)別に輸出数量の割合を見ると、中国向けの輸出が最も多く全体(2014kl)の37・6%を占めた。

 また、輸出製造業者の状況を見ると、輸出製造業者数は前年と比較して6者増加し142者となり、全体に占める輸出業者の割合も2・7%増加し53・6%となった。