酒中連 平成30年税制改正要望まとまる

2017年09月04日

 酒類業中央団体連絡協議会(加盟団体…日本酒造組合中央会、日本蒸留酒酒造組合、ビール酒造組合、日本洋酒酒造組合、全国卸売酒販組合中央会、全国小売酒販組合中央会、日本ワイナリー協会、日本洋酒輸入協会、全国地ビール醸造者協議会)は平成30年度税制改正などに関する要望書をまとめ公表した。

 平成30年度税制改正などに関する要望項目は、制度改正の要望で6項目、執行面での要望で3項目の計9項目となる。

 制度改正の要望では、「酒税の減税要望について」「租税特別措置法などに規定する酒類に関する事項の恒久化などについて」「独立行政法人酒類総合研究所の機能の維持・強化について」「制度の簡素合理化について」などを要望。「酒税の減税要望について」では、平成31年10月に消費税増税が実施予定となっていることから、「個別間接税が課せられていない他の物品、サービスに比べて酒類は突出した税負担となっている」と指摘。酒類業界の現状は、「未だ厳しい経済社会情勢の中、規制緩和の進展などによる激しい販売競争、価格競争に加えて、原料・エネルギー価格の高騰などのため、酒類業者は非常に厳しい経営状況にある。消費者は生活防衛のため酒類の価格に極めて敏感になっており、増税となる場合には逆に酒税収入の減少をもたらす恐れが十分にある」とし、酒税の大幅な減税を要望した。

 また、「租税特別措置法などに規定する酒類に関する事項の恒久化などについて」では、「租税特別措置法の諸規定は、中小零細酒類事業者の存続や最近の酒類消費の実態などから、特に必要な税負担調整が定められたものであり、多数の中小零細企業からなる酒類業界の存続のためには必要欠くべからざるもの」とし、歴史的背景や最近の酒類業者の経営実態を考慮し、平成30年3月末で期限切れとなる租税特別措置法および震災特例法に規定する酒税の税率の特例を恒久的な措置とすること、もしくは長期に延長するよう要望した。

 執行面での要望では、「消費税の円滑・適正な転嫁」「時代の要請を踏まえた酒類販売業免許制度の構築と運用」「公正な取引市場の確保」を要望。「消費税の円滑・適正な転嫁」では、「事業者の実態を十分把握し、優越的地位の濫用行為などによって酒類業者が消費税を負担させられ経営が不当に圧迫されることのないよう、消費税適正転嫁法の執行に万全を期すように」と、徹底した対策を講じるよう要望した。

 また、「時代の要請を踏まえた酒類販売業免許制度の構築と運用」では、酒類小売業免許、卸売業免許について緩和が行われているが、「酒類販売業免許制度は酒税の保全の観点からはもとより酒類の社会的管理の面、WHOの勧告の社会的要請の観点にもかんがみた酒類業の健全な発達のため、国際的整合性のある制度構築と適切な運用を要望する」とした。