菊水酒造 酒米「菊水」の田植え行う

2017年05月16日

 【新潟】清酒「ふなぐち」で有名な菊水酒造(新発田市島潟、高澤大介社長)は5月7日、同社所有の圃場で恒例の「第21回 酒米『菊水』田植えイベント」を開催し、取引先酒販店、酒米「菊水」の復活に携わった新潟の農家グループ「共生の大地にいがた21」のメンバーや、地元大学の学生、同社社員など218人が参加した。

 会の冒頭、あいさつに立った同社の高澤社長は「当社と同じ名前の酒米『菊水』で純米吟醸を醸し、国内外へ販売している。皆さんが育てた酒米が実って世界に羽ばたいていくことになる」と語った。

 酒米「菊水」は1937年に愛知県で誕生した酒米で、戦中の食糧難により姿を消してしまったが、1997年に農家グループである「共生の大地にいがた21」が、わずか25粒の種籾から復活させた。同社では社名と同じ名前を持つ酒米「菊水」で2000年の冬から「酒米菊水 純米大吟醸」を醸造している。

 イベント当日は好天に恵まれ、澄み切った空の下、参加者らは酒米「菊水」の田植えを行った。

 同社の高澤社長は同イベントについて「始まった当初は社員だけの少人数で開催していたが、会を重ねる毎に参加者が増え、だんだんと定着していったと感じている」と語った。

 昨今、市場を拡大している甘酒については「原料処理棟を改造し、甘酒製造用のクリーンルームを10月1日から稼働予定だ。現在の生産能力の約5倍を有する規模の設備となる。価格競争に巻き込まれないよう、質を追求していく」と述べた。