ビール酒造組合および発泡酒の税制を考える会は平成28年度税制改正要望をまとめ関係先に提出した。今回の要望は、「ビール類の税負担の大幅軽減」と「ビール類新ジャンルと同税率のその他の発泡性酒類との税率格差を生じさせない」の2点を訴えかけていく。
ビール酒造組合および発泡酒の税制を考える会は連名で「ビール・発泡酒・新ジャンル商品の酒税に関する要望書」をまとめ、与党、財務省などに提出した。
平成28年度の要望は、①税率の一本化の際は、ビール類の税負担を大幅に軽減してもらうよう要望する②現行法においてビール類新ジャンルと同税率の、その他の発泡性酒類との税率格差を生じさせないよう要望する――の2項目となる。
両組合は、これまでの税負担について「ビール類は他の酒類と比べ非常に高率、高額な酒税負担を担い、これまで国の税収に貢献してきた。しかし、少子高齢化をはじめとした社会環境の変化でビール類市場は平成6年から減少に転じ、ピーク時より大幅に減少している」と指摘。また、与党の平成27年度税制改正大綱で「同一の分類に属する酒類間の税率格差を縮小・解消する方向で見直す」と明記し、ビール類の税率の一本化が検討されていることから、「これ以上、ビール類市場の減少を加速させない」ために今回の税制改正要望の作成にいたった。
主な酒類の酒税額は、▽焼酎(25度)=10円▽ウイスキー(40度)=10円▽清酒(15度)=8円▽ワイン(12度)=7円▽新ジャンル(5度)=16円▽発泡酒(5・5度)=24円▽ビール(5度)=44円、となっており、特にビールは他の酒類の4倍以上と高額になっているのが現状だ。諸外国との比較でも「醸造酒であるビールに対してアルコール度1度あたりで蒸留酒に比べて高い酒税を課しているのは日本だけ」(同組合)とし、「国際的に見ても非常に高率かつ高額」という。
また、消費税が10%に引き上げられた場合の税負担額は、5%時と比べて約1350億円の負担増になり、「愛飲者の税負担はますます重いものになる」と指摘した。
小売価格に占める酒税も、ビールについては、350ml缶(小売価格221円)あたり酒税が77円、消費税が16円かかることになり、実に42・2%、93円が税金となっている。
こうした現状に対して、「思ったより高い」「他の商品やサービスに比べて高すぎる」「ビールは大衆飲料なのに高すぎる」「外国と比べて高すぎる」といった消費者からの声も紹介している。
両組合では、「ビール大びんの46・6%は税金です」「発泡酒3缶飲んだら1缶税金」を一般に訴えていくとともに、こうした現状からも「ビール類の税負担を大幅に減税」してもらうとともに「ビール類新ジャンルと同税率のその他の発泡性酒類との税率格差を生じさせない」よう要望していく方針。