南九州酒販、焼酎「アイスなお酒」発売

2014年04月14日

 【鹿児島】「冷やし焼酎始めました」――。酒類卸の南九州酒販(市原稔社長、本店・鹿児島市)が4月1日、夏季限定の芋焼酎・統一ブランド「アイスなお酒」を発売した。ネーミング以上に奇抜なのが、ボトルデザイン。白熊やペンギンが焼酎を愉しむイラストがゆるくてユーモラスだ。エープリルフールの日に発売だが、県産芋焼酎の需要喚起を目指す、斬新コンセプトは本気だ。

 女子向け季節限定企画の第1弾。女性の焼酎への関心を高め消費にまでつなげる販促提案で、秋季に第2弾を打ち出す。同社と県内焼酎メーカーが商品開発や市場開拓に取り組む「薩摩本格芋焼酎生産者協議会」(加盟蔵元14社)の企画で、今回は7社(各1銘柄)が参加。8月末までと期間を区切り限定本数を販売する。

 ブルーの720ml同一ボトルを採用したほか、アルコール度数を12度、小売価格(税抜)を815円で統一。酒質に関しては各社が「ロックやストレートで楽しめ、爽快で旨みも堪能できる」など創意工夫し多彩な個性を際立たせた。

 そこからは遊び心満載。ラベル部分は氷山を背景に、白黒2色で、しろくま・ぺんぎん・あざらし・北極きつね・北極うさぎ・しろふくろう・カリブーのイラストがあって、それぞれ“しろくまの焼酎”“ぺんぎんの焼酎”などと固有の名称が付けられている。

 さりげなく「SATSUMA ROCK」「ICE SHOCHU」と添えられ、夏飲みスタイルをイメージ付ける。県産芋100%使用を認証する地理的表示「薩摩」焼酎の統一ロゴマークは、南九州酒販の開発・企画商品ではもはや欠かせないものになっている。

 代表銘柄のイメージを壊したくないということもあって、メーカー単独の企画では、ここまで大胆な商品開発には至らなかっただろう。「これがあの蔵の焼酎か」と驚くほどの商品化を実現。効を奏し、鹿児島県外、関東・関西の都市部からの引き合いが強いという。

 参加蔵元 ▽オガタマ酒造「貴心樹」▽日當山醸造「日當山」▽指宿酒造「利右衛門」▽若潮酒造「さつま黒若潮」▽小正醸造「小鶴くろ」▽長島研醸「さつま島美人」▽山元酒造「蔵の神」