ビール酒造組合の寺坂史明会長代表理事は8月24日、就任後初となる記者会見を開催し、要旨次のように語った。
寺坂会長代表理事
ビール市場は、1月~7月累計で158万9000kl、対前年95・5%と前年を下回る結果となった。業界を取り巻く環境は依然として厳しいものの、各社はさまざまなライフスタイルや価値観にあったビールならではの付加価値の高い商品の開発や、おいしい飲み方などのビールにまつわる情報の発信を継続し、ビール市場の活性化に努力している。発泡酒の累計は57万kl、対前年比80・3%、新ジャンル商品は106万6000kl、対前年比110・9%。ビール系飲料全体の課税移出数量は、累計で96・7%と前年を下回る状況。大手組織小売業を中心として販売されている輸入新ジャンル商品については、売り上げが伸長しており、業界として動向を注視している。
(1)公正取引・市場問題=「酒類に関する公正な取引のための指針」に沿うべく自主ガイドラインを策定し、遵守・見直しを継続している。独占禁止法の一部改正に伴い、公取委で「不当廉売ガイドライン等」の改定が行われた。引き続き公正取引に向けた活動に取り組んでいく。
(2)税制要望活動=ビールには、永年にわたり極めて高率・高額な酒税が課せられてきており、その水準は国内の他の酒類や諸外国のビールと比較して、極めて高い。大幅なビール酒税の減税実現に向けて取り組んでいく。また、「発泡酒の税制を考える会」として発泡酒の減税の実現と新ジャンル商品の酒税据え置きについても、同時に取り組んでいく。
(3)アルコール関連問題=“1”アルコール関連問題に関する世界戦略…指針に則り時代の要請などを斟酌し、関係官庁などとの連携を図りながら社会的責任を果たしていく“2”「酒類の広告・宣伝及び酒類容器の表示に関する自主基準」(自主基準)の改定…スポンサー提供する番組の成人視聴者比率の引き上げ、酒類のテレビ広告への妊産婦注意表示の追加、自粛時間の延長(平成22年10月実施)などを改定した“3”「STOP!未成年者飲酒」プロジェクト…今年度もコンビニ、スーパー業界との連携や日本カラオケスタジオ協会の参加協力も得て、未成年者飲酒防止の啓発活動を展開する。全国9エリアで交通広告、雑誌・新聞広告などを利用し活動を推進していく“4”「未成年者飲酒防止ポスター・スローガン・学校賞募集キャンペーン」…今回新たに審査委員長として東ちづる氏をお迎えした。学校賞受賞校に対してはフォローアップ活動として審査委員長による現地での講演会も企画している。
(4)物流への取組み=パレットの共同使用を進めることにより、物流効率の向上を図っている。引き続きパレットの適正な使用に関する啓発活動を行っていく。
(5)環境問題=“1”地球温暖化対策…温室効果ガス排出量の更なる削減“2”廃棄物対策…工場で発生する副産物や廃棄物について、再資源化率100%をいち早く達成した。容器包装に関しては、自主行動計画の平成22年度目標に対して、スチール缶と段ボールについては前倒しで達成し、ガラスびんとアルミ缶についても目標達成に向け着実に取り組みを進めている“3”カーボンフットプリント(CFP)…経産省主導で実施されているCFP試行事業に自主的に参画した。ビール業界統一のCFP制度設計、ビールのPCR策定と公式認定取得を目指し現在も活動を続けている。
(6)国際技術委員会(BCOJ)=“1”ビール醸造技術の向上“2”品質保証の基盤となる分析法の開発と国際標準化推進“3”海外のビール関連組織との技術交流--に一丸となって取り組んでいる。
(7)安全・安心=原料から製品に至るまで、法令の遵守、および品質の維持・向上と安全性の確保を最重要課題として捉え、関係諸機関と連携を密に図り品質保証を徹底している。原料の残留農薬基準に関しては、「ポジティブリスト制度」を遵守するとともに、世界の原料栽培に関する情報収集に努めながら、適正な基準値設定のため働きかけを行っている。
以上7つの事業を行い、自由公正な事業活動の機会を確保し、酒税保全に協力し、相互の利益増進を図るとともに、酒類業界の安定と健全な進歩発展に尽力していく。