岡山の辻本店 7月4・5日 御前酒の夏仕込み体験

 【岡山】日本酒「御前酒」で人気の辻本店(真庭市勝山、辻均一郎社長)は、酒販店や飲食店を対象に「夏仕込み」の体験イベントを7月4、5両日に実施すると発表した。古式ゆかしい室町時代の菩提酛造りの再現で、仕込んだ酒は立秋を前に8月3日頃には出荷される予定。

 イベントでは、参加者に酛の仕込みや蒸米の放冷作業、櫂(かい)入れなどを体験してもらうほか、杜氏による菩提酛セミナーや岡山県出身で民俗学者の神崎宣武(かんざき・のりたけ)氏による特別セミナーも計画。酒造りだけでなく、地元の勝山街並み保存地区の散策や雄町米田圃(たんぼ)見学、蔵元直営レストラン「西蔵」での懇親会など盛りだくさんの企画が楽しめる。

 参加者は、日本名門酒会の加盟店が対象。仕込む酒は精米歩合55%の県産雄町米を全量使い、協会9号酵母で造る。製品名は、純米吟醸生原酒「菩提酛夏仕込み」(720ml1575円)で3千本の販売を予定。参加特典として「夏仕込み酒の酒粕」や御前酒学校修了証書「オリジナル菩提酛マスター前掛け」が進呈される。

 同社によると、菩提酛造りは大正時代にほぼ姿を消したが、平成の初め頃に先代杜氏の原田巧氏が復興。女性杜氏の辻麻衣子さんを中心に若い蔵人たちに受け継がれている。生のコメを入れて天然の乳酸菌を造る「そやし水」を酛に使うのが特徴で、夏場の雑菌を抑制して酵母を増殖するためきれいな味の酒が安全に仕上がるという。

 今回のイベント企画について、辻本店は「大手蔵のような機械化や空調設備、醪のコンピューター管理も進んでいないが、歳月をかけて磨き上げた造りと岡山が誇る幻の雄町米を知ってほしい。『夏の酒』の高い価値をアピールすることで日本酒の話題を喚起し、新たな需要を創造したい」と力を入れている。

(掲載日:2010年06月21日)

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