日本酒フェア2010 全国の酒一堂に会する

 【東京】年に一度の日本酒の祭「日本酒フェア2010」が6月16日、池袋のサンシャインシティ・ワールドインポートマートで開催された。今年も「第4回全国日本酒フェア」と「平成21酒造年度新酒鑑評会公開きき酒会」が同時に開催され、来場者数は前年を上回る4200人を記録した。

 同イベントのオープニングセレモニーで、あいさつに立った日本酒造組合中央会の辰馬章夫会長が公開きき酒会について「各蔵元の技の競演を五感をフルに発揮して堪能して欲しい」と来場者に呼びかけた。日本酒フェアについては「参加した45都道府県の気候風土に育まれたお酒が一堂に会した。文化は多様であればあるほど、人の心が豊かになる。稲作文化、麹文化の粋である日本酒は、日本文化とともに世界に広がっている。日本酒が世界酒に育ちつつある。会場では蔵元の理念に触れていただき、『Talk and Taste』で日本酒の良さを再発見してほしい」と述べた。

 続いてあいさつを行った独立行政法人・酒類総合研究所の平松順一理事長は「今年の冬は寒暖の差が大きく米が溶けにくかったこともあり、造りには苦労したが、全国の蔵元から895点の出品があった。審査においては品質の向上と多様化をより一層推進する目的で、香味の調和に加えて、特長や飲みやすさも加えて審査した。清酒の復権を技術面で後押しできると考えている。今年の酒は香味が大変良く調和し、程よい味を呈する素晴らしい酒が揃った。来場した方々には素晴らしい日本酒を充分に堪能してもらって、清酒に対する理解を深めていただき、需要拡大に寄与するように期待している」と公開きき酒会について語った。

 その後、両氏と日本酒造組合中央会・清酒技術委員会委員長の土井清幌氏、同・需要開発委員会委員長の佐浦弘一氏と、同中央会のマスコットキャラクターの「おちょこ君」も加わり、テープカットが行われ「日本酒フェア2010」が開幕した。

 「平成21酒造年度新酒鑑評会公開きき酒会」は(独)酒類総合研究所と日本酒造組合中央会の共催で、東京に会場を移してからは4回目の開催となった。会場には入賞酒453点、うち金賞受賞酒240点が勢ぞろいし、蔵元の技術の結晶である日本酒が一度にきき酒できるとあって、開始前から来場者は長蛇の列を作っていた。

 「第4回全国日本酒フェア」には鹿児島県、沖縄県を除く45都道府県が参加し、各酒造組合(連合会)がさまざまな趣向を凝らしたブースを展開した。会場には792銘柄の全国のお酒が集まり、日本酒はもちろん、日本酒をベースにしたリキュールや、県で開発した酒米、酵母を使った独自のもので、来場者の興味をひきつけているブースもあった。

 各県のブースを見ると▽岩手県=300mlの純米酒、本醸造酒21銘柄を3本セットにしたものを1000円で販売。県の酵母を使用した酒や、酒米「吟ぎんが」「ぎんおとめ」の酒も。ブースでは着物の女性が立って、来場者をもてなすなど会場に華を添えていた▽山形県=酒米「出羽の里」を使用し、県の認定を受けた「山形セレクション」の酒を出品した。ほかにも、蔵元9社が醸す発泡清酒「スパークリングY」も好評▽宮城県=金賞入賞率全国一位で注目を集める。800通もの公募から選ばれた県酒造組合のキャラクター「みやぎすぎタマ」ちゃんも来場した▽栃木県=県酒造組合のアンテナショップ「酒々楽」をコンセプトにブースを展開。カウンター奥の壁面に組合員の酒をずらりと並べ、居酒屋のような雰囲気で来場者をもてなした▽群馬県=公開きき酒会で興味を持った人に楽しんでもらおうと、出品酒と同様の酒を取り揃えた。頭上には銘柄を記したちょうちんをぶら下げるなど、特長あるブースを展開していた▽埼玉県=一般の人の裾野を広げる目的で、低アルコールの日本酒ベースのリキュールを中心に出品した。赤色酵母を使った桜色のにごり酒も注目を集めた▽奈良県=県開発の「奈良うるはし酵母」で醸した統一銘柄の「奈良うるはし」をPR。純米系のお酒でラベルにはせんと君を登場させ、平城遷都1300年祭も盛り上げる▽広島県=33社のお酒を出品し、まずは知ってもらいたいとの思いから試飲に特化したブースを展開した▽岡山県=雄町米で醸したお酒を前面にアピールした。ほかにも、雄町で醸したお酒をベースに、メロン、桃、ゆずを漬け込んだリキュールも好評。果物王国である岡山ならではの出品酒で来場者を楽しませた▽愛媛県=昨年好評だったことから今年も立ち飲み居酒屋の雰囲気で来場者をもてなした。酒米「しずく媛」で醸したお酒の試飲販売や、特産品のジャコ天も好評を博していた▽高知県=坂本竜馬のラベル酒など、県ならではの日本酒を出展した。今年の夏、銀座にオープン予定の県のアンテナショップのPRも行った▽熊本県=県蔵元10社が参加している「熊本の米」「熊本の水」「熊本酵母」を使った統一銘柄「さゆる」を出品。ブースでは特大スクリーンで県下の蔵元紹介を行うなど、注目を集めていた--と、さまざまな趣向を凝らし、来場者を楽しませていた。

 会場ではほかにも日本酒造協同組合連合会、長期熟成酒研究会、日本酒ライスパワー・ネットワーク、日本酒造青年協議会もブースを展開し、さまざまなセミナーも行われるなど、日本酒づくしの一日となった。

(掲載日:2010年06月24日)

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