「侍士の門」 白玉米を栽培 日本酒蔵へ農家ら集う

 【福岡】3月27日、日本酒「侍士(さむらい)の門」の仕込みを終えた福岡県の蔵元を、その酒に欠かせない白玉米を栽培する鹿児島県の生産農家が訪ね、交流を深めた。発売3年目を迎え、今年は初めてにごり酒が登場。販売にあたる鹿児島県の卸会社や福岡県の取扱い小売店の関係者も駆けつけ、新たな取り組みへ向け意見を交換した。

 蔵元は女性杜氏、今村友香さんが活躍する若波酒造(大川市、今村壽男代表)。「侍士の門」は麹米に山田錦、掛米に白玉米を使い醸す純米酒。昨年の販売量は720ml換算で3000本程度。今期も同程度の仕込みで、うち約860本がにごりで販売される。

 白玉米は、江戸嘉永年間の1849年、福岡県の弥作という人が日向の国から持ち帰って以降、九州一円で栽培されたが、昭和に入ると姿を消した。その復活を、かつては日向の国、鹿児島県曽於市財部町で酒小売業を営む前畑浩一さんが目指し、同町中谷地区の農家、下川幸春さんはじめ多くの人の支えで、念願かなった。復活米は焼酎の麹米となり、芋焼酎「侍士の門」(太久保酒造=鹿児島県)が生まれた。

 前畑さんは、白玉米の“もう一つのルーツ”は福岡にあると考え、蔵元での造りを働きかけた。何より清酒蔵復興の起爆剤に、との思いが強い。卸会社「天世味(あませあじ)酒販」(鹿児島県志布志市)を立ち上げ、焼酎をメインに、蔵元と全国約100店の酒販店の橋渡し役を担う。

 当日は、下川さんら生産農家をはじめ、白玉米栽培を支える地域住民グループ“びっきょの会”メンバー20人、前畑さん、北九州地区の取扱い店2店が参加。酒の試飲や蔵見学を行った。にごり酒「侍士の門」について下川さんは、「白玉米の味が出ている」との感想。蔵を訪ねることは、「よりいいコメを作るための、自分たちの勉強になる」と語った。

 取扱い酒販店の一人は、蔵元とともに酒質改善に取り組んできた。その成果が見られ、特ににごりにすることで、独特な風味が際立ったと話した。前畑さんは、蔵元の地元の酒販店が「侍士の門」を育成しようとする熱意に触れ、「蔵元が清酒だけで成り立った、元の姿を取り戻すことにつながれば」との思いを一層強めたようだった。

(掲載日:2010年04月13日)

トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://www.jyokai.com/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/3456


<最近の記事>

  • 2月分洋酒出荷数量 12万9千klで9.2%増

  • 「侍士の門」 白玉米を栽培 日本酒蔵へ農家ら集う

  • ヘリオス酒造 成果品果汁を活用

  • 2月本格焼酎出荷数量 3万6千300klで5%減

  • 岡山県清酒品評会 穏やかな香りで軽やか

  • サッポロビール 嵐山に和の空間を

  • 2月の全国清酒出荷 4万6千500klで1.4%減

  • 奄美大島酒造 奄美大島産黒糖で醸す

  • アサヒビール 自然の恵みを明日へ

  • 酒類総合研究所 22年度酒セミナー開催組合を募集

  • 当サイトに掲載の記事・写真・図表等の無断転載を禁じます。
    著作権は、株式会社 醸界タイムス社に帰属します。
    Copyright© 2010 The Jyokai Times. All rights reserved.
    個人情報リンクトラックバック