清酒中央会新事業で会見 日本酒の価値訴える

 日本酒造組合中央会が3月18日に発表した新キャンペーン「日本酒を、すべての家庭に」。同日開いた会見で、需要開発委員会の佐浦弘一委員長と企画を立案した日本酒スタイリストの木村克己氏は要旨次のように語った。

 佐浦委員長

 中央会や需要開発委員会では、日本酒の需要拡大を目指してさまざまな検討を行ってきた。私が委員長になってからも〝日本酒の価値再構築〟をテーマにいろいろなイベントや計画を進めてきた。しかし残念ながら日本酒の消費低迷は続いている。この原因の一つに日本酒の価値を消費者に伝えきれていないということが挙げられると思う。日本酒の価値について消費者に別の切り口から訴えかけていくことで認識を深めてもらい、トータルでの消費を上向かせることがキャンペーンの意図するとこだ。

 キャンペーンのテーマは「日本酒を、すべての家庭に」だが、これはキャンペーンの究極的な目標でもある。日本酒が家庭に常備されている世帯が減るとともに、日本酒の効用や価値を理解してくれている世帯も減っている。そこで今回は日本酒をすべての家庭での常備を目指すこととした。結果として飲用外のみならず飲用へとつなげていきたいが、まずは日本酒の日用必需品としての有用性を啓もうすることで、日本酒を使うことの価値を広く伝えていく。

 コンセプトフレーズは「Cooking Magic!ひと振り酒」としたが、これは日本酒を少し振り掛けるだけで料理が美味しくなるという〝日本酒の効能〟をマジックという言葉で表現した。「和らぎ水」は日本酒を飲む合間に水を飲むということでかなり浸透したが、「ひと振り酒」についても日本酒を少し料理にかけるということを分かりやすくした。

 広く浸透させるために、オリジナルボトルを開発。今までにないデザイン、形のびんで消費者に印象付けていく。三角形の形状のため冷蔵庫の隙間にも入る。

 業界が「すべての家庭に」と言うのだから、キャンペーンへはすべての蔵元に参加願いたいと思うが、当面は1県あたり5社程度、全国で250から300社の参加を見込んでいる。

 木村克己氏

 日本酒の日本人一人当たりの消費量はどれくらいかを計算してみると未成年を含めて約15㏄になる。日本酒のセミナーなどで行うアンケートでは、日本酒が家庭にあるという人は都市部で4割、地方都市で6割。日本中の5000万世帯の半分が日本酒と縁の無い暮らしをしているということになる。今回はこうした世帯に、料理などで日本酒をひと振りするだけで、味が劇的に変わるということを訴えていきたい。一度、日本酒が家庭に入ると、飲んでもらっておいしいと思ってもらえると思う。かつてのように日本酒がどこの家庭にもあるというシーンを作りたい。「日本酒が家庭の隙間に入らせてもらうというスタイルで良いのか」と言った意見もあるかもしれない。しかし、かつての成功体験を払拭してもらい、別の角度からのアプローチをしていくということで協力願いたいと思う。

(掲載日:2010年03月29日)

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