アサヒビールは、今年の「アサヒスーパードライ」ブランド戦略を発表した。昨年12月に累計販売数量が30億箱を突破した主力ブランドの「スーパードライ」を幅広い世代でより多くの消費者との絆をさらに深めることが狙い。今年は、「エクストラコールド」「スリムボトルのデザインリニューアル」「音楽イベント」「地域貢献」「コミュニケーション」などで、新たな飲用スタイルや飲用シーン、ビール文化などの情報発信を積極的に展開していく。
3月1日に開いた記者会見で、長尾俊彦取締役兼執行役員酒類本部長は、「業界と取り巻く環境は依然として厳しく、今年も業界全体でマイナス2%程度での着地となると予測している。中でも、ビール、発泡酒については引き続き前年を下回り、新ジャンルは伸びるだろう。一方で、お客さんの『ビールを飲みたい』という願望もあることが分かっている。昨年末、当社は売り上げで勝利することができた。これは、12月20日以降、消費者がビールに戻ってきたことが大きい。『ビールを飲みたい』という願望があるということを実感した。今年は、何としてもビールの需要を上げていきたい。全国津々浦々、置いているのは『スーパードライ』だけ。この『スーパードライ』を飲んでもらう意義を見出してもらいたい」と意気込みを語った。
新戦略の柱となるのが、「エクストラコールド」。これは、氷点下(マイナス2度C~0度C)の温度帯で「スーパードライ」を提供しようというもので、業務用を中心に展開していく。同社が昨年実施した調査で、20代の60%がより冷えた温度を好む傾向があったことから、20代の人を中心に新たなビールの楽しみ方を提案する一環として実施。氷点下温度帯の樽生ビールを抽出するにあたり、専用サーバーを独自に開発した。エクストラコールド専用のビアサーバーは、従来、水を冷却液として用いていたがより冷却効率の高い冷却液を採用。また、2台の樽生機器を活用し、2段階冷却を行うことで安定してマイナス温度のビールを連続して注ぎだすことが可能となった。3月1日現在で30店舗に専用サーバーを設置しているが、これを年内に300店舗にまで増やす考え。商品開発第一部の梶浦瑞穂プロデューサーは「現在、『スパードライ』のコアユーザーとなっているのは40代から50代が中心。20代でも飲みたい人は多いが低価格な新ジャンルに流れている。このまま10年後、20年後を迎えるとどうなるのかを考えたとき、やはり20代のファン作りは急務」と話す。提供価格は店により異なるが「スーパードライ」より約50円ほど高めのプレミアム価格に設定されている。
また、昨年7月から再発売している「スリムボトル缶」を4月27日からコンビニ限定でリニューアル発売する。斬新でスタイリッシュなデザインと持ちやすいロングネック形状が20代から30代を中心に好評だが、缶全体の銀色をプリズムカットしたデザインに変更することで、より多くの20代から30代の支持を狙う。同時に、スリムボトルの一層の浸透を図るために、音楽ライブをコンテンツとして活用したコミュニケーションを展開。同社が実施している「ASAHI SUPER DRY THE LIVE]を8月28日に開催し、5000組1万人を無料で招待。新たな飲用スタイルを訴求していく。
事業活動を通して社会的責任を果たすことで、地域との共生と企業価値の向上を目指す取り組みとして、昨年から実施している「アサヒスーパードライ『うまい!を明日へ!』」プロジェクトの第3弾として、今年3月上旬製造分から4月下旬製造分の「スーパードライ」の大びん633ml、中びん500ml、缶500ml、缶350mlの4品目を対象として、それらの売り上げ本数に応じて1本につき1円を寄付する。このプロジェクトは47都道府県それぞれで各自治体などとともに検討し選定する、地域ごとの自然や環境、文化財などの保護・保全活動に対して「スーパードライ」の売り上げの一部を寄付するというもので、昨年は2回実施。年間の寄付総額は6億8074万4728円となった。第3弾は4億円を超える見込み。秋には第4弾を実施する予定。
また、3月2日から放映中の「スーパードライ」のCMキャラクターには、現在、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」で坂本龍馬役を務める福山雅治さんと、「X-MEN」シリーズなど話題性の高い映画で活躍するハリウッドスターのヒュー・ジャックマンさんを起用した。日米を代表する男性スターで、「スーパードライ」が持つ「都会的」「男らしさ」「スケール感」といったブランドイメージを訴求する。
福山さんが出演する「CATCH MY DREAM篇」では、福山さんが自らの可能性を信じてチャレンジし続ける男の「渇き」を、ヒュー・ジャックマンさんが出演する「CATCH MY SUCCESS篇」では、現実に立ち向かい闘い続けるビジネスマンの「渇き」を描いた。