東京都卸売酒販組合は平成21年度の「配送業務調査アンケート」を実施し、調査結果をまとめた報告書を公表した。
この調査は、昭和55年から行われており、今回で29回目。今年は、環境対策への取り組み状況についての調査を新たに項目に追加し、卸売各社が省エネやリサイクルなどの環境問題についてどのような取り組みを行っているのかを調査した。
今回の調査対象の事業所は、昨年より3場少ない61場で、うち52場から回答。昨年の9月1日から30日までの期間を対象期間として行われ、対象事業所を2万ケース未満、7万ケース未満、7万ケース以上の3つの分類に分けて実施された。同組合の実態調査委員会の升本正委員長は、2月3日に開いた記者会見で、「近年、酒類業界を取り巻く環境は大きく変化しており、少子高齢化、若年層のアルコール離れが続く中、酒類の消費量は減少を続け、さらには低価格化の流れの中で、デフレ景況下のもと、厳しい状況に直面している。今回の調査は、東京都卸売酒販組合の組合員で実施した。東京は地価も高いため、これが日本の標準ということではないが、卸売各社は物流コストの競争力の強化を進めており、配送センターの統廃合が進む中、コストダウンに向けた配送のアウトソーシング化が一段と進む結果となった」と報告した。
調査結果によると、倉出総数量に占めるアウトソーシングのシェアは昨年より7ポイント増加し88%に達し、中でも7万ケース以上の事業者で全物流量の81%を占める結果となった。一方、自社運営では、倉出数量が昨年より5%低下。荷物1個あたりの配送費用は荷役費が昨年と同額だったものの運賃は15%上昇したため、212円から20円増加し232円となった。升本委員長は、「得意先1件あたりの配送量が小口化されてきているが運賃は減っていない状況を示しているものと思われる」と説明した。
アウトソーシングでは、シェアの増加に伴い、荷物1個あたりの配送費用は昨年より27円減少し98円と、大幅なコストダウンになっている。これは、自社運営の232円と比較して134円もの低コストとなっており、アウトソーシングのシェア増加の要因ともなっている。しかし、アウトソーシングについて規模別に配送費用単価を比較すると、7万ケース以上が83円であるのに対し、7万ケース未満では270円、2万ケース未満では278円と3倍以上もの開きあることから「アウトソーシングでは、一定以上の規模が必要という状況に変化はない」と説明した。
また、センターフィーについての調査では、今回の調査で負担要請のあった21場中、18場が要請に応じて負担。7万ケース以上で負担要請があった場合の負担割合は100%となった。一方で、センターフィーの負担要請に応じて負担している多くの事業所でセンターフィーの算出根拠に何らかの不満を持っていることも明らかになった。新規に実施したカテゴリ別の売上高に対する支払いセンターフィーの料率は、酒類分野で、在庫型は1・5%から4・5%、スルー型では1・2%から4・8%とばらつきが見られたものの、「おおむね範囲内の料率だった」としている。
環境対策への取り組み状況の調査では、省エネ法上の義務が生じる「特定事業者」(年間のエネルギー消費量が1500kl以上の事業者)の該当者は7場で、同法の運送分野における「特定荷主」(自社運送、委託運送の合計運送量が3000万トンキロ以上の事業者)が同じく7場に達した。省エネ、リサイクルなどの取り組み事例として、省エネ関係では、「曜日配送による車両の減便」「一部車両をLPG車両に変更」「アイドリングストップの徹底」などが示され、リサイクル関係では、「空容器のリサイクル」「コピー用紙の両面使用」などが挙げられた。しかし、「省エネ対策として車両のエコ化を進めたが、委託先企業の負担や給油場所不足、LPG車の遠距離走行困難など課題は多い」「空ビン処理で一升瓶は1本数円で業者が買い取ってくれるが、他の4合ビンなどの処理に困っている」「清酒樽のリサイクル業者が見つからない」などといった問題点も指摘された。