日本ワイナリー協会の岡部有冶理事長は昨年12月に開いた記者会見で2009年の国産ワイン市場の概況と今年の見通しについて要旨次のように語った。
昨年の国産ワイン市場について。
国産ワイン市場は1-8月の課税出荷数量が前年比102・5%であり、数量ベースで伸びている。これは景気の悪化に伴う内食化が進み、金額的には厳しい状況だが、ワインの家庭内消費が増えたことが背景にあると考えている。低価格化傾向が続き、家庭用のデイリーワインが堅調な動きとなっている。国産ワインは酸化防止剤無添加ワイン、有機ワインが前年並みの水準を維持している。国産ブドウを使用したワインは、国産ワインコンクールで受賞したワインが在外公館で使用されるようになるなど、海外でも日本産のワインに興味が持たれている。昨年のワイン市場は、数量前年比で国産103%、輸入100~101%、国産・輸入トータル101%と推定し、数量比で微増となるものの、金額比は厳しい状況と思われる。
税制など改正要望について。
平成18年の酒税法改正において「酒類間の税率格差を縮小する」ために、ワインは清酒などとともに醸造酒類に一括りにされて、ワインの酒税が大幅に増税された。醸造酒類として同水準の税率にするのは合理性がなく、極めて不適当。民主党政権になり、マニフェストにある「酒税のアルコール度数別課税」が政府税調で論議されるころに大変危惧(ぐ)している。酒税の税率について、蒸留酒では、アルコール度数課税のような国際的に統一した考えがあるが、その国の歴史、文化、産業構造などから独自の税率になっている。また、租特87条で、中小のワイン製造者に対する酒税の特別措置が規定されているが、わが国のワイン製造者のほとんどが中小企業であることに加え、国産のワインのシェアは輸入ワインに押され製造・出荷数量は減少しており、経営は極めて苦しい状況にある。ワインに係る酒税の租税特別措置を現行の状態のまま酒税法に移管し、恒久的な規定とするよう要望する。
需要拡大のための方策について。
気軽に家庭で楽しめるデイリーワインを中心に、多くのお客様にワインのある豊かな生活を提案していくことが必要で、気軽に楽しんでもらうにはスクリューキャップの利便性や食とのマッチングを提案することも重要だと考えている。そのためには、消費者に安心して飲んでもらえるよう、常に安心・安全な商品を消費者に届けることが国産ワインメーカーにとっての使命であると考えている。今後も国産ワインの品質の高さに加えて、日本人の味覚に合う味わいや和食との相性など、業界一丸となってPRが必要だと考えている。
今年の国産ワイン市場の展望について。
ワイン市場は、中高級ワインや業務用ワインの不振が続くと思われ、金額的には厳しい状況が続くが、家庭用を中心としたデイリーワインの好調が続き、来年は国産・輸入トータルで、ほぼ前年並みの消費量になると推定している。その中で国産ワインは無添加・有機ワインカテゴリーが引き続き支持され、加えて大型容器ワインがけん引となり、消費量は微増と推定している。