【大阪】京阪神業務用部会連絡協議会(矢田忠会長)は11月26日、大阪市北区の新阪急ホテルで、京阪神地区の酒類業務用市場の現状と、公正取引実現に向けた意見交換会を実施した。
この会合には、大阪、京都、神戸の業務用酒販店のほか、松田武、脇田捷治、脇貞治の各小売連合会長も出席。業務用市場の安定に向けて熱心な意見交換を行った。
冒頭、矢田会長は「不況の中で、年末の業務用市場を心配している。デフレの進行が気がかりだが、京阪神地区の情報を交換し、今後の公正取引実現に向けて、積極的に意見の交換をしてもらいたい」(写真)とあいさつ。大阪府小売酒販組合連合会の松田会長は「本来、一番活気のあるはずのこの時期に、不況やインフルエンザが重なり、先行きが心配だ。また、今年8月の総選挙では、これまで中央会が支援してきた自民党が大敗した。今後は民主党を頼りにしていかなくてはならないが、道筋が決まっていないのが実状だ」と中央情勢を報告した。
意見交換では、京都の椎村悌知氏が「今年2月に業務用大手の三加恵が倒産し、京都の業務用市場が良い方向へ向かうことを期待したが、三加恵が出していた見積もりを下回る価格での見積もりが横行し、市場は全然儲からない状況が続いている。一部大手小売に安い納価で商品を入れるメーカー、卸の姿勢も問題だ」、兵庫県の越山正氏が「生樽については、公正取引実現に向けて、行政もメーカーの指導をしており、今後改善されることを期待したい。売り上げが大切か、利益が大切かということだが、酒類の需要が停滞する中で、量を追っても仕方がない。国税局は業者が利益を上げているかどうかを、もっとしっかりとチェックしてほしい」、大阪の野元政幸氏は「生樽の価格が下がっているのが大きな問題だ。ビールの値上げ前の価格よりも、下の価格が出始めている。業務用にとって、生樽の利益が一番大きいので、そこがくずれるのは大変な問題だ」と、それぞれの地域の現況を報告。
矢田会長は「生樽については、食品系の小売が目玉に使っているケースもあり、困っている。私の地元では卸が安い価格で業務用に直で納入するケースも増えており、先日はこれを行政に相談したところ、ビールメーカーが直接動いて、抑えてくれた。とにかく問題が起きた場合は、早めに動くことが肝心だ」と述べた。
こうした意見に対し、大阪府連の松田会長は「卸の小売免許を何とかしてほしい、という意見は中央会にもたくさん届いている。ただ、法律的には非常に難しい問題だ」と説明。兵庫県連の脇会長は「神戸では業務用小売の大手7社が集まり、市場安定に向けて話し合いを続け、一定の成果が上がり始めている。最近は7社が共同でPB焼酎を発売するなど、信頼関係もできてきている」と市場安定に向けた取り組みを紹介した。
京都府連の脇田会長は「来年1月から実施される公取委のガイドラインで、総販売原価に一般管理費が組み込まれたのは大きな前進で、小売業界の主張が認められたことをうれしく思っている。ただ、仕入れ原価にリベート、現品付きが認められたのが問題。リベートや現品付きは仕入れ原価に加えずに、名目的な仕入れ価格が実態という方向に持っていきたい」と1月以降の公取委の対応に期待をにじませた。
また、松田会長は「ガイドラインに違反した場合に、罰則を設けてもらうことも必要だ。単なる注意ではなんの意味もない。違反が重なるようなケースでは、免許の取り消しなども考えていただきたいし、小売中央会としても、こうした要望書を提出しているところだ」と今後の対応を説明した。