福岡小売連 年金問題、協議会紛糾

 【福岡】「中央会は全く何もしていない。3カ月遅れの手紙なんて…、馬鹿にしている」「被害者はあきらめの心境だが、中央会を信用して加入したのに、こんなことではかわいそうだ」--。11月20日、福岡県小売酒販組合連合会(徳島真次会長)は福岡市の組合会館で、酒販年金問題について協議する会を催した。発言したのは、年金事件の被害男性2人。酒販年金問題に精通する元・同県連会長の大島和加丸氏を招き企画された会だったが、被害者救済につながるような結果は導き出されなかった。

 同会には、県連理事の約半数、会長を含む10人が出席。大島氏のほか福岡市在住の被害者2人が臨席した。両人とその妻などの被害額は約500万円に及ぶ。

 “加入員の皆様へ”と題された手紙は、平成21年8月吉日付け。中央会四十万隆会長、年金問題・訴訟対策委員会下山登委員長の記名があり、中央会がクレディ・スイス銀行外2名を訴えている160億円損害賠償請求訴訟、中央会が大阪と東京の被害者に訴えられている民事訴訟の経過や見通しについて記されている。そんな手紙が11月10日過ぎ、被害者に届いた。被害救済へ一筋の光も見えない手紙が、今ごろになって届けられた意図は不明で、当惑の様がうかがえた。

 会では冒頭、飯塚組合理事長の長瀬俊夫氏が、県連の問題への対応を問うた。「(刑事提訴など中央会へ問題解決を迫る)決議が県連や九州3県で行われているが、どこまで本当に取り組むつもりか。姿勢を示せ」。被害者の個人責任に帰するような見方も許さない。「年金事業は中央会が起こし、単位組合が推進してきたものである。140億円の投資に関わった弁護士だから、こんな結論しか出てこない」。

 徳島会長は、少しでも回収できればと望んでいること、現状以上の対応が難しいことへ理解を求めたが、長瀬氏は現状打開が難しくても中央会組織で解決すべき問題だと主張し、議論は平行線をたどった。

 大島氏は県連会長・全国小売酒販組合中央会北九州支部長当時、年金事件の捜査の端緒となる刑事告発を行い、関被告の公判では証人尋問にも立った。孤立する被害者の救済を目指し、福岡県酒販年金被害者の会(現同会代表)も立ち上げた。徳島会長は発会発起人の一人だった。しかしこれまでに大島氏は、組合組織のすべての役職を失った。同氏は責任追及を行うことで、組合・行政関係者から大きな排除の力が及んだと主張している。

 当日同氏はあらためて、事件が組合崩壊に直結するものだと訴えた。「全国の税務署と同じ数、524あるべき酒販組合が、今は444になっている。80もの組合が消滅した」。来年5月、あと半年で刑事事件としては時効となることへ危機感を強める同氏。年金施策の決定に関わる組織や担当者・役割、施策決定までの流れを示したフローチャートや、年金懇談会の内容を精査すれば事件への関与者は明らかになるとの持論も展開した。そのなかで、中央会の弁護士や事務方の責任も指摘。関与者が今も在職し主導するような、異常なやり方では問題は解決しないとの見解を示した。同氏自身、詐欺で新たな刑事告発を提起しているが、保留のままだという。あくまで中央会による刑事告訴でしか問題は解決しないと主張した。

 一事不再理によって刑事告訴ができない問題に対しては、福岡組合理事長の浅川吉允氏が、検察審査会への申し入れを提案。責任追及に関しては、西福岡の髙田利治氏が、中央会が財産処分し、年金に携わった者を告訴して破産まで私財をとり上げねばならないと提案し、他の出席者からも同調する声が上がった。博多の髙田正穂氏からは「大島氏が中央会で付きっきりでやらないと、らちがあかない」との意見、関連して久留米の奥村豊氏からは「これまで大島氏とは相反してきているが、どのようにバックアップしていくのか」を検討すべきとの見解が示された。

 大島氏が事件解決・被害救済へ動くサポートや、ふさわしいポジションに就けるべきだとの発言に対し、徳島会長は支援の前提として、大島氏の刑事告訴担当弁護士から説明を聞きたいと面談を要求。大島氏は被告訴人へ内情を暴露することにつながるとして面談を拒否したことから、協議は紛糾。徳島氏は「今後県連としては一切、協力できないし、理事会でも取り上げない。意味がない。そんなに暇じゃない」と発言後、退席した。出席の理事からは、組合事業が再々年金問題によって妨げられることへのいら立ちだとして理解を示す言葉が聞かれる一方、「感情的になったとしても、言ってはいけない言葉。この言葉を聞いた被害者、組合員は一体どう感じるだろうか」と、疑問を投げかける声もあった。

(掲載日:2009年12月02日)

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