【福岡】福岡国税局(藤田利彦局長)が主催する平成21年酒類鑑評会の表彰式が11月18日、福岡市の合同庁舎であり、受賞場が発表された。同局管内、九州北部3県(福岡、佐賀、長崎)で製造・出品された清酒と本格焼酎の品質を評価するもの。最上位・成績第1位の大賞は、▽吟醸酒の部=「聚楽太閤(じゅらくたいこう)」鳴滝酒造(佐賀県唐津市、古舘正典社長、中山茂生杜氏)<最上位受賞6回目>▽純米酒の部=「萬代(ばんだい) 純米酒」小林酒造本店(福岡県糟屋郡宇美町、小林弘社長、平田慎一杜氏)<同初>▽本格焼酎の部=「献上(けんじょう)」<原料・麦>篠崎(福岡県朝倉市、篠崎博之社長、重松浩一杜氏)<同初>--が受賞した。
同局の鑑評会は昭和31年に第1回を開催。年2回開催の時期があり、通算で88回の歴史を有す。今年から賞体系を変更。各部門とも優等賞を廃止し、大賞と金賞の2賞とし、純米酒の部に大賞を新設した。
今回の出品は、▽吟醸酒の部=48場92点▽純米酒の部=44場79点▽本格焼酎の部=41場135点(原料別出品場数=麦30場、米15場、その他25場<酒粕14場、さつまいも5場、そば4場、ごま2場、じゃがいも2場、マテバシイの実1場、しそ1場>、長期貯蔵15場)--の状況。
出品酒に対し、9月29日、10月7・14・16日の4日間、のべ54人の品質評価員が官能評価。純米酒は燗の状態で、料理を食べながら飲用する食中酒にふさわしい押し味があるか、なめらかさがあるかが評価された。
審査の結果、各部門の最上位1場が大賞を、大賞に続く金賞を▽吟醸酒の部=16場▽純米酒の部=17場▽本格焼酎の部=15場--が受賞した。
審査の概要については、同局松丸克己鑑定官室長が報告。吟醸酒は心地よい香味の調和、純米酒は食中酒にふさわしく、個性も発揮した点、本格焼酎は軽快から重厚まで個性の幅があることが評価された。
◇ ◇ ◇
吟醸酒の部「聚楽太閤」鳴滝酒造の古舘社長は、「ねらって取れるものではなく、一生懸命の結果が評価いただいたのだと思う。(酒質は)味も厚みがあり、旨味が乗っていたのではないか」との感想を語った。仕込みに使ったコメ、山田錦は佐賀県塩田町産。中山杜氏にとっては、杜氏職に就いた1年目の造りでの快挙となった。前杜氏のサポートもあり、「皆さんの協力があったから」と控えめな言葉。多くの支えに感謝を込めた。
純米酒の部「萬代 純米酒」小林酒造本店の小林社長。コメは福岡県糸島産の山田錦。同部門に今年初めて大賞が設けられ、その特別な栄誉に対し、「消費者志向が純米酒へと集まるなか、(受賞は)吟醸(が高く評価されるの)と同じレベルでうれしい」と率直に喜びを表現した。平田杜氏はコメの出来が良く、醪の品温管理などに気を遣ったことで、すっきりしたタイプに仕上がったと振り返った。
本格焼酎の部「献上」は常圧蒸留の麦焼酎。第1位受賞は、篠崎が30年前に本格焼酎免許を取得以来、初となる。重松杜氏は「メイン(商品)の麦で取れたのが良かった。常圧だが麦わらの香りは強く出ず、それが良かった」と言葉を重ねた。篠崎社長は、海外の酒類コンクールなど「他流試合にこだわり、外の評価を大切に、独善的にならないようにしている」とコメント。海外マーケットへも期待を寄
せた。