平成22年度税制改正で国税庁が要望していた「ビールに係る酒税の税率の特例期間の延長」が、12月1日に開かれた政府税制調査会で審議され、軽減率を現行の20%から15%に引き下げた上で、3年間の延長を認めることを決定した。
地ビールの租税特別措置法は、前年度のビール課税移出数量が1300kl以下のビール製造者について、当年度の課税移出数量が200klまでのものについては酒税を軽減するとの措置で、平成15年に租税特別措置法として創設された。平成21年度は20%の軽減率だった。中小酒類製造業者の経営安定には非常に有効な措置で、地ビール業界では、平成20年度は、地ビールの製造者195者に対して1者を除く194社で適用を受けており、合わせて約4億500万円の酒税が軽減されている。その適用期限が平成22年3月31日で切れることになっていたため、延長が要望されていた。
しかし、与党となった民主党が選挙期間中も「租税特別措置法は全面的に見直す」との方針を掲げていただけに、「地ビールの租特についても期限切れ終了となるのでは」と業界内部からも心配の声も聞こえていた。動向が注目されていた中での今回の延長決定は、軽減率こそ5%引き下げられたものの地ビール業界には安堵感が広がっている。
財務省は地ビールの租特延長について、「地ビール製造者の事業参入の促進および経営基盤の強化が政策目的。現在では全都道府県に最低1件は地ビール製造場が存在し、地域経済の活性化にも貢献している。また、地ビール製造者を取り巻く環境が依然として厳しい状況にあることから、引き続き支援を行うことが必要」と合理性を訴え、「発泡酒や新ジャンルの出現などにより、ビール全体の課税移出数量が減少している中、地ビール製造者の課税移出数量は、本特例措置の効果もあり増加傾向にある。また、本特例措置の適用による減収額は毎年約4億円と一定であるのに対し、地ビール製造者の酒税の納税額は年々増加(平成20年度は32億円)。最近5年間の増加額は約8億円」と制度の有効性を示していた。
地ビール製造者の経営状況については、「特例措置の導入前は、1者あたりの営業利益はマイナス132万円だったのが、制度導入後はプラス176万円となり、営業利益が欠損であった67者のうち、30者が利益を計上した」と制度が経営の改善につながっているとも指摘していた。
地ビール業界の租税特別措置法の延長決定は、12月11日に発表予定とされている平成22年度税制改正大綱に盛り込まれる。