【福岡】福岡県筑後地区の小売酒販組合役員が参集し、懸案問題について協議する「筑後ブロック会議」が10月19日、朝倉市総合市民センターで開かれた。会議運営の改革に取り組み、懇親会を廃止。昼食会で情報交換を深めるとともに、消費動向に詳しい専門家を招き講話を聴講した。
会議を共催したのは5組合(理事長)=▽久留米(奥村豊)▽八女(倉員利之)▽大川(新山正英)▽大牟田(秋原正成)▽甘木(時津邦克)――で約50人が出席。冒頭あいさつに立った主管組合・甘木の時津理事長は、「状況は大きく変わっている」として、会議運営改革の経緯を説明した。
講話“九州人とお酒~お酒とコミュニケーションの関係性~”の講師は電通九州(福岡市)のコピーライターでプランナー、和久田昌裕さん。講話依頼など、福岡国税局の全面支援で実現した。“九州人”のデータから浮き彫りになったのは、20代、特に男性の酒離れ。「飲む・飲まない・飲めない」比率は、6対3対1。飲まない理由のトップは「必要性がないから」が55%を占めた。コミュニケーションを取るのに適しているとの回答は、非飲酒層では26%で、40代男性や20代女性が50%台を維持しているのに対して、半数程度。その役割は今や携帯電話やインターネットで「代替されている」と指摘した。
酒離れを食い止めるためのヒントとして、サントリー角ハイボールの展開などを事例に挙げた。テーマは“食+ウチ&ソト新創造”。イエナカ、イエソト両方で新しい飲み方を提案するもので、大がかりなプロモーションが流行をつくっていることも示した。
「講話は目からウロコの内容だった」と好評。インターネットは商売に不可欠かとの問いには、地元での需要掘り起こしだけなら必要なく、こまめな試飲会等の方が有効だと答えた。日本酒を売り込むための指南を求める質問も相次ぎ、関心の高さをうかがわせた。
出席者は昼食の間に情報交換を重ね、協議に入った。報告されたのは組合運営の窮状。5組合の合計組合員数は745者(772場)、昨年73者が廃業・脱退したのに対し、新規加入は2者だった。組合ごとに賦課徴収の方法はまちまち。均等割り一本化は甘木組合(1組合員当たり年間2万500円)のみで、加入障害の一因となっている問題克服には至っていないのが実状だ。「免許申請者と受領者を同一にする」など、新規免許者への加入勧奨が実効を上げるよう求める声も。
また組合業務の委託によって、人件費削減を探る提言があり、協同組合事業の強化を訴え、地元特産の柿の産直販売に取り組む事例も紹介された。個々の組合が意思疎通を密接にしたり、協同組合事業での商品販促につなげるために、インターネットの活用を促進する提案も見られた。
同会議には県連・徳島会長も臨席。「組合は危急存亡の危機」とした上で、“酒類定価制”で状況打開する持論を展開。一部を医療厚生等の財源として県に納め、社会貢献と利益確保を実現する案で、「政権交代をチャンスに、福岡から全国へ発信したい」と訴えた。
次回開催予定は久留米。主管組合の奥村理事長は、「新しい世の流れに合った会合だった」と、会議運営の改革を高く評価した。