ビール酒造組合松沢会長が会見 “ビールの大幅減税”

 ビール酒造組合の松沢幸一会長代表理事(キリンビール社長)は9月2日、就任後初の記者会見を開き、ビール業界の現状と、1年間、会長として取り組んでいく上での基本的な考え方を要旨、次のように述べた。

   ◆   ◆

 松沢会長代表理事

 国内の市況は、昨年のリーマンショック以降、急激に落ち込んだ国内景気は、アジア向け輸出の持ち直しや在庫調整の進展、政府の緊急経済対策などの効果もあり、一般的には、厳しいながらも下げ止まっているとの認識になっている。一方、景気の先行き不透明感はいなめず、消費者の生活防衛意識にも起因する低価格志向は、食品業界全般に広がりを見せ、ビール業界にも少なからず影響を及ぼしている。

 直近のビール市場は、7月の天候不順の影響もあり1月~7月累計では1664千kl、対前年92・7%と前年を下回る結果となった。

 ビール業界を取り巻く環境は依然として厳しいものの、さまざまなライフスタイルや価値観にあった、ビールならではの付加価値の高い商品の開発や、おいしい飲み方などのビールにまつわる情報の発信を継続し、ビール市場の活性化に努力していきたい。

 社会的な関心の高い活動として、平成14年から取り組んでいる「未成年者飲酒防止ポスター・スローガン・学校賞キャンペーン」、平成17年から取り組んでいる「STOP!未成年者飲酒」プロジェクトを継続して取り組んでいく。海外の動きでは、2010年5月にWHAでアルコール問題に対する世界戦略が決議される予定だが、ビール酒造組合会員各社とともに動向を注視していく。

 1月~7月の発泡酒と新ジャンルについては、発泡酒が709千kl、前年比85・8%、新ジャンルは961千kl、対前年比123・1%。発泡酒、新ジャンル商品を含めたビール系飲料全体の課税移出数量は、1月~7月で97・9%と前年実績を若干上回る状況となっている。

 ビール酒造組合として、今後取り組む課題は次のとおり考えている。

 (1)公正取引、市場問題=会員各社は健全な酒類業界の発展に向け、平成18年8月に国税庁から発出されたいわゆる新指針に沿うべく自主ガイドラインを策定し、その遵守・見直しを継続している。この秋には、消費者保護の観点から新たに発足する消費者庁および消費者委員会を含め、監督官庁などの協力を得ながら、引き続き公正取引に向けた活動に取り組んでいく。

 (2)税制=ビールには長年にわたり極めて高率、高額な酒税が課せられてきており、その水準は国内の他の酒類や諸外国のビールと比較しても極めて高いものとなっている。政権が変わってもあらゆる機会を捉え、ビールの大幅な減税の実現に取り組んでいく。また、「発泡酒の税制を考える会」として発泡酒の減税の実現についても同時に取り組む。

 (3)アルコール関連問題=アルコール関連問題について視野を海外に広げると、2008年5月の第61回WHA(世界保健総会)において「各国の事情や文化を考慮し、アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略を2010年の第63回WHAに提出する」ことが決議された。2010年のWHA決議は世界的な関心を集めており、当組合もその対応に真摯に取り組んでおり、関係省庁や世界の酒類団体との連携強化や情報共有を通じて、WHO(世界保健機関)への適切な対応に努めていく。また、「STOP!未成年者飲酒」プロジェクトは、今年度もコンビニ・スーパー業界との連携や日本カラオケスタジオ協会の参加協力も得て、未成年者飲酒防止の告知活動を展開している。交通広告についても、これまで実施してきた地域に、四国エリアでも新規に掲出していく予定。「未成年者飲酒防止ポスター・スローガン・学校賞募集キャンペーン」は今年で8回目を迎え、6月15日から募集を開始した。

 (4)ビール5社の連携により、ビール需要喚起策をさらに進化させ、消費者の支持をいただけるよう検討する。

 (5)Pパレ共同使用会を通じて、プラスチックパレット化の推進、適正使用の啓発、回収強化を図る。

 (6)自主行動計画に基づき、「温暖化」「3R推進」などに取り組む。

 (7)BCOJの活動による醸造技術の向上と合わせ、生産者とも積極的に交流し、原料・製品の安全確保と、健康・安全・安心に関するお客さま満足度の一層の向上を図る。

 (8)組合活動では、さらなる業務改善を行い、会員各社の意見も踏まえつつ、信頼性の向上と適切な組織運営を目指す。

 ビール酒造組合はこれら8つの事業を行い、自由公正な事業活動の機会を確保し、酒税の保全に協力し、組合員相互の利益増進を図るとともに、酒類業界の安定と健全な進歩発展に尽力していく。

(掲載日:2009年09月07日)

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