フジタ精米人 新醸造米工場が竣工

 【兵庫】酒造用原料米のフジタ精米人(本社・小野市、藤田覚社長)が、かねて建設を進めてきた新醸造米工場が一部竣工し、操業を開始した。

 この新工場は昨年7月、それまでの醸造用精米の主力工場だった第2工場が、インバータの付着糠が熱を帯びたことが原因の火災により、内部が全焼したことをうけて、昨年夏から建設に取り組んできたもの。竣工した新工場は、特定米穀などに対応した醸造用精米機12基と、吟醸用精米機6基を備え、旧工場を3倍上回る供給能力を備えており、さらに異物除去なども含めた品質面でも、得意先からの厳しい要望に、十分に対応できるものとした。

 今回の新工場竣工について、藤田社長は「こうした時期なので、設備投資のコストを抑えることも目的に取り組んだ。吟醸精米機と異物除去装置は最新鋭の機械を据えたが、中古機械で改良できるものは出きるだけ利用し、社員でもできる機械工事は自分たちでやるように心掛けた“手作り”の部分が大きい工場になった。また、昨年の火災の教訓を生かして、精米機の配置も左右対照にして、オフ期には片側ずつオーバーホールできるような体制をとった」と説明。「昨年の需要期は委託精米や、酒造メーカーの精米工場をお借りすることで、なんとか欠品を出すことなく、乗りきることができたが、得意先には大変な心配と不自由をお掛けした。新工場は、こうした教訓を踏まえ、万全な防火体制をとっただけでなく、原料米の供給についても、24時間体制で行うことで、これまでの3倍の供給が可能となり、大手酒造メーカーの経済酒に対応した商品供給も万全になった」と語っている。

 また、藤田社長は同社の現況について「昨年の火災直後には30%の売り上げダウンと赤字決算を覚悟したが、得意先や関係業者にご協力いただいたことと、危機感をバネに結束してくれた社員の頑張りもあって、今5月の決算は売り上げで前期比7%増、しかも経常利益もわずかながら黒字で着地することができた。得意先にご迷惑をお掛けした分を、この酒造期は新工場をフルに活用することで、期待に応えていきたいと思っている。また、新工場の竣工に合わせて、倉庫が手狭になったこともあり、火災以前から話しのあった本社に隣接した土地、2000坪を取得し、新たに低温倉庫の建設に着手した。完成は来年4月を予定している」と述べた。

 新工場の設計やプランニングを担当した藤田健夫専務は「新工場建設では、多くの部分を自分たちの手で行ったことで、社員も精米技術やプラントのノウハウを取得でき、無形の財産になった部分も多かった。また、工場内部は主な機械をライトアップすることで、美しく見せるような工夫もした。また、HACCP(ハセップ)などへの対応も踏まえて、壁面などもほこりやゴミを落としやすい構造にしている」と説明した。

 新醸造米工場は、醸造用精米機12基をAラインとBラインに分けて6基ずつ配置、吟醸用精米機6基もAラインとBラインにそれぞれ3基ずつ配置し、1ラインずつのオーバーホールを可能とした。玄米から精米へのとう精では、各ラインとも時間あたり7t、合計14tの能力を持つ。製品の出荷は、白米をフレコン3ライン、パレタイザー対応の紙袋が2ライン設置したほか、近年大手酒造メーカーから要望の増えてきたバラ出荷にも対応できる自動ラインも用意した。

 また、従来からの醸造用のみでなく、政府の米粉用米推進に併せて、食品原料、ドッグフード用の各種米粉製造ライン、本格焼酎原料用の国産小麦を精麦するラインも備える予定で、すべての設備の完成は9月いっぱいを考えている。

(掲載日:2009年08月19日)

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