国税庁が発表した平成20年4月1日現在の酒類卸売業者の概況によると703者で、前年の企業数より減少。売上金額規模別の欠損および低収益企業数の推移は、10億円以下の企業で全体の約7割が欠損および低収益企業に当たるなど、中小規模の卸業者の経営の悪化が依然として浮き彫りとなった。全規模の合計でも半数近くの企業が欠損となっており、卸業者数の減少に歯止めがかかっていない状況だ。
同調査は平成20年4月1日現在で、全酒類卸売業またはビール卸売業の酒類販売業免許を有し、卸酒販組合員となっている者を対象に行われた。調査対象企業数は738者で、うち703者から回答を得た。
平成19年の企業数は全体で703者となり前年度より13者減少。総販売数量は1031万9706klで前年度に比べ1・3%減少した。酒類卸売上高は4兆4302億7600万円で前年より99億900万円増加した。一方、酒類卸売売上総利益は1780億2200万円で、前年に比べ201億4600万円減少した。
従業員数は4万359人で、前年より887人減少。うち酒卸部門の従業員数は1万8327人で、前年より835人減少した。
一企業平均では▽総販売数量=1万4680kl(前年比0・5%増)▽総売上高=142億5700万円(5・2%増)▽税引前純利益=5000万円(9・1%減)▽総資本=43億5400万円(1・3%増)▽総従事者数=61人で前年と変わらず--の状況。
売上規模別企業数の構成比を見ると▽大企業=5・5%▽協同組合=1・1%▽中小企業=<会社>91・2%<個人>2・1%--と中小企業が大半を占める。
平成19年の売上金額規模別の欠損および低収益企業数の推移は、全酒類卸では10億円以下の企業で154者と全体の68・9%が欠損および低収益企業に当たる。売上金額規模が大きくなるにつれ、割合は低くなり100億円超の企業では16・7%となっている。また、全売上規模で欠損企業が昨年よりも増加。合計でも半数近くの45・1%が欠損・低収益となった。
売上金額規模別の販売先別販売数量は、全酒類卸では売上金額1億円以下の企業での販売先別構成比は▽卸売業者=5・8%▽小売業者=68・7%▽消費者=25・5%--の状況。100億円超の企業では▽卸売業者=20・2%▽小売業者=77・0%▽消費者2・8%--となっている。
◇ ◇ ◇
今回の調査では、酒卸売の販売数量は前年に比して減少し、売上高は増加した。だが、販売競争の激化などで低収益化の影響が鮮明にでている。
また、卸売業者数の減少で一業者当たりの販売数量、売上高が増加し、一段と大規模卸にシフトしていく状況が続いている。
特筆は、厳しいなか1社当たり従業員数減少は1・4人の減少で雇用の維持が図られている。