福岡県酒販年金被害者の会開催 年金被害者、孤立

 【福岡】「北九州ブロック・酒販年金被害者説明会」が6月28日、北九州市の小倉小売酒販組合で開かれた。被害者救済を目指す福岡県酒販年金被害者の会(大島和加丸代表=元・福岡県小売酒販組合連合会会長)が福岡県北九州地区の被害者のために企画したもので、被害者のほか県連の現職理事4人が出席し、問題への見解を示した。

 「酒販年金は組合が勧めた事業だから、責任を持つべきで、年金問題は終わってはいない」--というのが出席理事の総意。「酒販年金は国の認可を受けて昭和58年4月に発足した制度」で、「資産は法律で保全されている」と安全を強調していた平成12年当時の資料も示した。

 大島氏は、事件へと至る経緯を詳細に説明し、幹事銀行の解散助言を無視し、年金制度を存続させたことが事件を誘引したとした。存続を決定づけた年金懇談会には、現在中央会が民事提訴している金融ブローカーが入っており、「ク銀行員と組んだ詐欺が明らかだ」と主張。当時も今も中央会顧問弁護士を務める人物、監督責任があった所管行政の責任も重大だとし、係争中の民事では「絶対に返還の見込みはない」と加えた。東京・大阪の被害者が中央会等を提訴の民事も、被害回復にはつながらないとの見方を示した。

 ブローカーは不起訴になっており、一事不再理の原則から刑事告訴は不可能との見方に対しては、ある理事が「雇用関係のないブローカーを背任で提訴しても不起訴が当たり前。ブローカーを逃す意図的な提訴だったのではないか」との見方を示し、あくまでも新たな刑事訴追の道を探るべきだと語った。  事件の全貌は、「平成14年度酒販共済年金制度と運用に関するフローチャート」に集約されると大島氏。自身が提訴の刑事告訴は強制捜査の端緒に利用されただけで、その捜査自体が大島氏の挙げた重要証拠、フローチャート(「甲8号証」)を無視した“ねつ造捜査”だったと批判。中央会が新たな刑事訴追を行うことでしか、被害者は救われないと訴えた。

 組合幹部だけが知り得た情報で、被害を免れた“インサイダー解約”の問題も指摘された。当時の中央会経理部長が現職の疑問、関与役員へ支払われる退職慰労金…。異常事態のなかで今年5月、中央会総会でようやく、ネバダ投資で吉竹・山本・藤田3氏の責任を明確に追求したことを突破口にしなければならないとの発言も見られた。

 被害女性の一人は、幹事銀行が解散助言をした翌年の平成14年、夫婦の退職金一括振込みなどで被害を3500万円にまで拡大させた。制度の危機的状況には気付かなかった。「こういう会でやっと被害者同士が話すことができる」と、孤立へと追い込んだ怒りもにじませた。被害男性は、「中央会を100%信頼し、加入勧誘もしてきたが、加入者は亡くなってきている。年金の話になると今の理事長は逃げるし…」と窮する。出席理事からは、「個人情報保護法を悪用している」との声も。いまだ被害者名簿すらなく、被害実態の把握もないのが実情だからだ。

 年金被害者ではなくても、訴訟費用などで中央会の財務を悪化させている以上、「全組合員が年金事件の被害者だ」と大島氏。「県連会長が説明会を開く義務があるのではないか」とも投げかける。出席理事は、「県連では被害者救済を決議したが、動いておらず歯がゆい。そういう人には辞めてもらいたい」と解任を求め、被害者へは「中央会へ生の声を届けよう」と強く訴えた。

 なお今回の説明会開催を所管国税局へ案内したが、関係者の臨席はなかった。大島氏は「それが最大の問題。幹事行が解散を求めた時に、国税庁は厳正な指導をすべきだったし、庁は業務改善命令や運営是正勧告で問題解決を求めているのに、私への妨害があるのも事実。庁局の責任を問わねばならない」と語る。

 被害者への説明会は、福岡地区では7月12日午前10時から福岡小売酒販組合(福岡市中央区赤坂)で開催の予定。

(掲載日:2009年07月07日)

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