環境問題が世界規模でささやかれるようになった今、酒類業界の取り組み状況は--。10年前に設立された日本リターナブルびん普及協会はR720mlビンで年々、出荷数量を伸ばしている。「早い段階で1000万本を目指す」と話すのは同協会の渡辺四朗会長(日本容器工業会長)。渡辺会長に、10年を迎えた同協会の今後の方針を聞いた。
--720mlリターナブルびんの現状は。
「R720mlの総出荷数量は、平成19年度は前年比25%増と大幅に増加しましたが、平成20年度は4・2%増での着地となりました。清酒業界が厳しい現状にあるのが伸び悩みの原因と思っています」。
--回収状況はいかがですか。
「多くの自治体が720mlビンをゴミとして扱っています。そのため欠たり傷が入ってしまうなど再利用が困難なケースも多々あります。自治体に対しても、もう少していねいに扱ってもらうように申し入れをしていかなくてはいけません。単に回収業者という捉え方ではなく、社会的な環境運動と考えてもらう必要があります」。
--一層の普及のためには、何が必要でしょうか。
「灘・伏見の大手がなかなか関心を示してくれないという問題があります。例えば、これまでも一升びんは新びんを灘・伏見の大手清酒メーカーが使い、地方は回収びんを使うというのが流れでしたが、大手が一升びんから紙パックに変わったことで、一升びんの供給が少なくなっています。大手で新びんを供給してもらい、中小が回収びんを使う。この流れが必要です。新潟県では、県内の大手全社がR720mlびんを採用してくれているので、大手が新びん供給係りとなり中小規模の蔵は回収びんを使うというサイクルが構築できています。今後も粘り強く灘・伏見の大手にR720mlびんの使用を呼びかけていきたいと思っています」。
--協会設立10年が経ちましたが、目標達成まであと少しです。
「当初、5年で1000万本を目標に立てましたが10年経過して現状は700万本に留まっています。早い段階で当初目標の1000万本はクリアしたいと思います」。
--1000万本へこだわる理由は。
「われわれが1000万本にこだわっているのは、とにかくリターナブルびんで実績を作りたかったからです。『何も行動を起こさずに関係官庁や清酒中央会に呼びかけても相手にされない』。この思いを共通認識として、補助金なども一切受けずにここまでR720の輪を広げていくことができました。1000万本を突破し、その実績を評価してもらい、中央会などと一緒になってさらにリターナブルびんの輪を広げていきたいと思っています」。
--今後の展開は。
「R720びんの利用の無い空白県もありますので、そうした県に対しても今後は呼びかけを行っていきます。酒造業者が手軽に始められる環境貢献活動だと思いますから」。
問い合わせは日本リターナブルびん普及協会事務局(0258-24-4581)まで。