小売大手のイオンとセブン&アイ・ホールディングスは、ともに両社のオリジナルPB(プライベートブランド)としてビール類を販売することを決定した。ビール系飲料では初のPBとなることや、小売価格が100円と設定されていることから、業界で大きな波紋を呼んでいる。商品の製造は、ともにサントリー酒類が行う。
ベートブランド(PB)「トップバリュ」で新ジャンル酒類「トップバリュ麦の薫り」を7月上旬から全国のジャスコやサティ、マックスバリュをはじめ、グループの31社約3700店舗で発売すると発表した。
同商品は、厳選した旨味麦芽を使用し、こだわりの2段階ホップ仕込で生産するなど、よりビールらしい薫りと爽快な飲みごたえを実現しながら、350ml缶が100円、500ml缶が145円と、国産ビール系飲料の中でも、低価格で提供する。この低価格は、イオンの持つスケールメリットを土台として築き上げた独自の仕組みに基づくPB開発のノウハウと取引方法によって実現している。
商品の開発については、消費者が求める嗜好について、イオンとサントリーで繰り返し議論しコンセプトを決定。サントリーが持つ優れた製法・品質管理ノウハウによって、低価格かつ毎日の食事に合うブランドとして仕上げた。
イオンでは、「当社のPB低価格については、具体的には事前計画により最も生産効率の上がる生産計画によるコストダウンや、イオン独自の物流・サプライチェーンに基づく、工場からイオンの物流センターへの直接納品による物流コストの低減といった仕組みにより実現している」としており、今回、「消費者からの要望が強かった」として商品化を行った。
イオンのPB商品でビール類は初めてとなる。イオンは「消費者の要望が強い」としてかつてからPBでのビール類を検討しており、そこにビールブランドのさらなる確立を図るサントリーの戦略と合致したことが今回の商品販売につながった。
▽商品分類=リキュール(発泡性)①▽アルコール分=5%▽容量=350ml缶、500ml▽価格=100円、145円▽目標販売数=年間3000万本
また、セブン&アイ・ホールディングスは、オリジナルブランド「セブンプレミアム」で新ジャンル種類「THE BREW・ノドごしスッキリ」を共同開発し、全国の酒類扱いのセブン―イレブン、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート、シェルガーデンの5社約1万2000店舗で7月下旬より順次販売する。
同商品は、しっかりとした麦の味わいがあり、かつ、すっきりとしたキレが感じられる「ビール系飲料の新ジャンル」をコンセプトに、セブン―イレブンでは350ml缶を123円で販売、イトーヨーカドー、ヨークベニマル、ヨークマート、シェルガーデンでは350ml×6缶パックを600円で販売する。
「セブンプレミアム」は、2007年5月に発売し、グループ各社のインフラ、ノウハウ、スケールメリットなどを結集し、独自開発したオリジナル商品となっており、同社では「グループ各社に来店する消費者に向けて、満足・納得してもらえる商品を提供する」としている。
▽商品分類=リキュール(発泡性)①▽アルコール分=5%▽容量=350ml缶および6缶パック▽価格=123円、600円▽目標販売数=年間150万ケース(350ml缶×24本換算)
小売大手2社から350ml缶で100円の新ジャンルが登場することになり、再び価格競争が激しくなることを心配する流通関係者も少なくない。他社ビールメーカー担当者からも「ビール市場安定に向けて業界が一丸とならなければいけないこのタイミングで、PBという形であれこういった商品が出ることは非常に残念に感じる」と不安と不満の声が聞こえてくる。