厳しい消費環境下で迎える今夏の中元商戦。大阪の百貨店では、儀礼廃止や少子化などで中元ギフト市場は年々縮小傾向にあり、各社とも売り場の開設を早めたり、早期割引の強化や送料を全国一律210円にする特典を用意するなど、売上確保に懸命だ。
5月売り場開設直後、新型インフルエンザの影響を受けて来店者数が減ったものの、客足が後ろへずれる形で盛り返した。また店頭・外商、法人・個人ともに依然として厳しい中で、クーポンのサービスなど各社の優待競争がより一層激しくなり、単価ダウンという「見えないところの節約」が全体の売上を縮小させそうだ。その分、自家需要やインターネット受注に期待が寄せられる。
商品面では、価格訴求商品の需要が引き続き拡大する一方で、両親・兄弟・親戚・友人といったプライベートな関係者への贈答が増加し、先方のライフスタイルに合わせたこだわり商品を求める傾向が拡大している。また、近年の「食の安全・安心志向」の高まりを受けた上質で本物志向のこだわり商品と、割引・送料などの特典のある商品との二極化が進んでいる。また中元ギフトの定番であるビールギフト・素麺ギフトは引き続き売り上げの上位を占めている。
近鉄百貨店阿倍野店
カタログベースでの取り組みは、清酒・焼酎は例年通り。洋酒はワインのアイテム数を減らし、その中でもこだわった奥の深いワインより、廉価感のあるものを増やした。一方、ウイスキーなどのハードリカーは、サントリーを中心に国産ウイスキー見直しの流れが強まる中で、さらに訴求力を強め、アイテム数も増加している。ビールは同店の今夏売上予想第1位で、「アサヒ スーパードライ缶」「サッポロ エビス缶」「サントリー ザ・プレミアムモルツ」「キリン 一番搾り生ビール」など各メーカーともプレミアム系が数字を伸ばしていることから、年々低下傾向だった全体の下げ止まりを予想している。価格帯は3000円から5000円、平均単価3900円で、プレミアム系のアソート商品を強化した。
飲料は近鉄オリジナル飲料をメインで取り扱い、NBは傾向としてオーガニックなど産地の見える「安心・安全・健康」をキーワードとした、こだわりのある商品を取り揃えた。特にコーヒーは他店よりもアイテム数が多いことから顧客の期待も大きく、2000円という新価格帯と、リサイクルを考えたペットボトル商品を新たに導入。また自家需要としても「あるとうれしい」をキーワードに、贈られた先で小分けできる数のある商品や、贈って喜ばれ、かつ生活に密着した実用ギフトの充実にも力を入れている。
高島屋大阪店
品揃えとして昨年と比べての大幅な違いはなく、こだわりのある特徴商品(早期割引対象外)・早期割引対象商品の両面からいずれも提案強化をおこなっている。中心価格帯も昨年同様3000円から4000円が中心であり、売れ行きにも特に昨年との大きな違いはみられない。
阪急百貨店うめだ本店
ギフトカタログを、NB商品を集めた「赤」と、こだわりギフトを特集する「青」の2冊を用意した。「赤」は全アイテム数を昨年の800点から1000点に増加。カテゴリーバランスや価格帯に変化はないが、数に比例し酒類・清涼飲料のアイテム数も、ビール47点(昨年38点)、清酒NB19点(16)、地酒16点(12)、焼酎16点(12)、ワイン19点(15)、シャンパン・スパークリングワイン18点(15)、洋酒17点(13)、清涼飲料52点(42)と増加した。中でも清涼飲料では新しく2500円の価格帯を導入。主力価格帯は5000円で、売り上げは前年並みを見込んでいる。